自然食業界キャリア15年のOBが綴る

牛肉の安全性からヒモ解く!本来の食べものと病気の密接不可分な関係は!?

2020/01/15
 
牛肉の安全性
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生協、有機野菜の宅配団体などに15年在籍し、自然食業界の裏表を目の当たりに。本当に安全に食べられる食材とは何か?日々追求しています。

■目次
1、牛肉のサシを考える!
2、牛の本来のエサから考える
3、肉質・乳質を良くするために!
4、動いては困る!知られざる畜産の現状は?
5、立ち上がることも叶わなくなる実態とは!?
6、本来の食のあり方を取り戻せ!主食復権へ!

 

「牛肉」

 

私たちの食卓に欠かせない食材の1つといえるでしょう。牛肉の良し悪しをジャッジする1つのポイントが、

“サシ”

赤身の中に、白いサシの部分がどれだけ含まれているか?これが高級牛肉と一般牛肉とを分ける1つの指標になるのです。

でも、肉にサシが入るとは一体どういうことなのか?どのようなメカニズムでサシは入り込むのでしょうか?

 

そこで今回は、「エサ」について考えることで、無投薬・無医療の生き方に向けたヒントについて述べてみたいと思います。

 

■牛のエサとは!?

牛は、草を食む生きものです。

牧草をエネルギー源に、あの巨体を作り上げ、維持・拡大をしている。それが牛の自然な姿というわけです。

自然の牧草を食べて育った牛は、サシではなく

 

「赤身オンリー」

 

となります。

牛の放牧を行っているところの牛肉は、赤くてカタくて筋肉質。こういうことになるのです。

では、どうして売られている高級牛肉にサシが入るのでしょうか?あのサシは、

“脂肪分”

筋肉のところどころに脂肪が入り込んでいる姿。それはまず、エサの違いにあるのです。

 

牛は草を食べますが、畜産業では草は「粗飼料」といわれます。粗飼料だけでは脂肪がつかず、牛肉独特に旨味も乏しくなってしまう。

 

そこで粗飼料に加えて、「濃厚飼料」。このようなエサを与えることで牛を太らせ、肉としての商品価値を高めるようにするのです。

 

■カスをエサに!

大豆から油を搾った後には、「カス」が出ます。

 

これは“大豆カス”といわれるもので、安い醤油の材料にも使われます。丸のまんまの大豆を使ってしまえば、仕入れコストがかさんでしまう。

 

そこで本来は、廃棄されるべき産業廃棄物である”大豆カス”を二束三文で引き取ってきて、醤油などの材料に使うわけなのです。

 

このカスは、牛のエサにも使われています。濃厚飼料の中身は、大豆カスやトウモロコシの茎のデントコーンを主に使いますが、これらを食べさせることで、牛の肉質を良くしようとするのです。

 

乳牛も同じで、一頭の牛からなるべく多くのミルクを絞るには、粗飼料だけではとても無理。大豆カスを与えることで、搾乳量が増え、さらに乳質も良くなり、牛乳を飲んだ際に感じる独特のコクなどもつけることができるのです。

 

本来牛は妊娠し出産すると年間100キロくらいのミルクを出すといわれています。でも、今の牛乳用の牛は年間8000キロもの牛乳を出しているといわれます。どれだけ酷使されているか?

 

この一事だけでも、牛乳を飲みたくなくなるわけです。

 

大豆は畑のビーフともいわれるように、タンパク質の含有量が高い食材です。大豆カスといえども、大豆は大豆なので牛を太らせるのに適している。化学溶剤のヘキサンで抽出した後に出る大豆カスなので、エサの安全性の問題もあります。

※参考
安全な食用油の選び方・安い油はこんなにハイリスク!

 

でも、牛は本来、大豆のカスやトウモロコシの茎などを食べるようにはできていません。牛は草を食む生きものだからです。

 

さらに濃厚飼料だけに留まらず、ビールを飲ませたりもすることで、肉質を高めようとする。もちろん牛はビールを飲むことはありませんが、サシに代表されるような食味を上げるためにこのような不自然な工程を加えるわけです。

 

そして極めつけは、「肉骨粉」。肉骨粉など牛が本来食べるはずのないものまで、エサとして与える。

 

このように牛から本来の食べものを取り上げ、肉質を良くするための不自然な処置によって、ほとんどの牛は病気になっているのが今の畜産業の現状といえるのです。

 

■高級は病気の意味!?

本来のエサを取り上げられた牛は、当然病気がちになります。エサのみならず、太らせるためには、

「運動は悪」

牛が広いスペースを自由に歩き回れるようにしてしまえば、赤身で筋肉質の肉質になってしまうからです。

 

そのため、身動きすることもかなわないくらいの狭い牛舎に閉じ込めて、極度の運動不足にさせていく。高タンパク食でさらに極度の運動不足が加わると、筋肉に白い脂肪が入っていく。

 

これが“サシの正体”というわけです。

 

不自然なエサと極度の運動不足の牛はほとんどが病気になってしまいます。それを何とか繋ぎ止めようと、エサに抗生物質が混ぜ込まれる。抗生物質を混ぜると、なぜか肉質が良くなることもあり、日々たくさんの薬剤も食べさせられる。

 

こうして作られたサシが入った病気の牛肉を、私たちはありがたがって、“ウマい!うまい!”といって食べているというわけです。

 

あまりに反自然な飼育方法で育てられているため、畜産牛の血液検査をしてみると、異常なまでの白血球の増加が認められるケースがほとんどだそうです。

 

人ならば完全に「白血病」。もはや瀕死の状態で牛たちは飼われているのが現状といえるでしょう。

 

■立つこともできない

さらに牧草には、化学肥料が使われるため、草に硝酸性窒素の残留の問題もあります。

 

肥料で栄養たっぷりに育てられるため、牧草には未消化の肥料成分が大量に残っています。年間何頭もの牛が窒息死する理由は、牧草に残留する肥料の問題もあるのです。
※参考
有機野菜の離乳食・赤ちゃんが葉野菜で窒息する!?

 

また牛は草に含まれるカルシウムを元に、カルシウム豊富な牛乳を出しますが、肥料で速成される草には充分なカルシウムが含まれていません。どうしても

 

「ミネラル欠乏の牧草」

 

になってしまうのです。そこで、エサに炭酸カルシウム・リン酸カルシウムなどを添加するのですが、それは本来牛の体が必要とするミネラル成分ではない。

 

こうしてカルシウム不足のまま、育っていかざるを得ないのです。

 

今の乳牛は人工授精で妊娠させられています。そうなると不十分なカルシウムで子供を育てなければならないので、胎児に与える分が不足してしまう。

 

無ければ他に手段がないので、母牛は

 

“自分の骨を削る”

 

ことで胎児に必要なカルシウムを供給する。こうして出産後はもはや精魂尽き果て、立ち上がることさえもできない乳牛が出てしまうのです。

 

当然、そうなれば屠殺場に送られて、食肉となり、私たちの食卓に上がってくるというわけです。

 

■日本には日本の食べ方を!

牛の事例から分かるように、本来のエサを誤ってしまうと、深刻な病気の症状に苦しめられることになります。

 

私たちも日本型の「糖質・炭水化物中心」の食生活を離れ、欧米型の“高タンパク・高脂質食”を当たり前に日々、口にするようになっています。

 

主食というように、日本の食卓の主役は「お米」なのですが、いま主役は副菜の“おかず食”ばかりにウエイトが置かれたものになっているのです。

 

肉食・乳製品の摂り過ぎが、ガンやアレルギー、糖尿病などの成人病を増やしている。そう警告する声も少なくないのです。

 

日本人にはこの土地で培われてきた自然でムリのない食べ方がある。欧米は植物資源が乏しく、食用植物から充分な栄養を摂ることができず、肉や乳製品をエネルギーに変えられるように自らの体を変革してきた歩みがあります。

 

植物資源に恵まれた私たちの国で、肉や乳製品を多く摂るスタイルの食事は遺伝的にかなりハードといわねばならないのが本当のところなのでしょう。

 

お米を食卓の中心にもう一度戻し、おかずはあくまでサブの位置に後退させること。この必要を感じます。

 

ちなみに牛肉を食べる際は、サシの入ったようなものではなく、「赤身の肉を選ぶ」のがポイントです。充分な運動と適切なエサを与えられて育った証になるので、お買い物の際にチェックしてみてくださいね。

 

■参考文献
・『野菜が壊れる (集英社新書 469B)』 新留 勝行 著
・『米と糖尿病 日本人は炭水化物(糖質)を制限してはならない』 佐藤 章夫 著 径書房 刊
・『自然食の裏側』 三好 基晴 著 かんき出版 刊

 

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