ガンの食事療法をするなら肥料と野菜との関係に注目!

■目次
1、野菜信仰と硝酸性窒素
2、食べ合わせがキケンな理由
3、赤ちゃんが青くなっていく
4、自然栽培が安全な理由とは!?
5、リスク回避の食べ方の秘訣は!?
「硝酸性窒素の問題」
とは小松菜やほうれん草、チンゲン菜などの葉野菜に多く含まれている物質です。分かりやすく言えば、葉野菜を食べた時に感じる
“苦味やエグミ”
その味の正体はこの物質によるものなのです。植物がそもそも持っているものですが、この物質が野菜に多く残留してしまう大きな理由が、
「肥料」
有機・化学を問わず、肥料を多く使ってしまうと、野菜に多くの硝酸性窒素が残留してしまうことになるのです。過剰な肥料は、植物の葉などに硝酸性窒素として過剰に蓄えられます。
葉野菜は生で食べることを極力避けている、必ず火を通す、そういう方も多いと思われます。何気なくやっている・・・、たとえそうだとしても、それは極めて
“賢明な処置”
と言えます。硝酸性窒素の毒性は「青酸カリ」に匹敵するとも言われているのですから。硝酸性窒素を多く含んだ野菜を食べると発ガン性リスクが高まってしまう。さらにはアレルギーや糖尿病、窒息、アルツハイマーなどを起こしてしまう原因物質ともいわれているのです。サラダブームもきちんと素材を選ばない限り、危険度は高まってしまうわけです。
そこで今回は、「野菜の安全」について考えることで、無投薬無医療の生き方実現のヒントについて考えてみます。
■食べ合わせの問題
「肉を食べたから、その倍くらい緑の野菜を食べましょう」
食卓のよくある光景ではないでしょうか。シーンとしてはお母さんが子供に言い聞かせる言葉だと思いますが、実はこの組み合わせには危険があると言わざるを得ないのです。
なぜなら肉や魚に含まれるたんぱく質・アミンと硝酸性窒素が化合して、
「ニトロソアミン」
という強い発ガン性物質に変化してしまうことがあるからです。肉・魚に限らず、体内にはこのアミンが貯蔵されているので、硝酸性窒素たっぷりの野菜は極力避けなければなりません。アミンは肉や魚を焼いたり、煮たり加熱調理をすることで、さらに増加していくことが分かっているのです。特にガンなどの食事療法に取り組む方には要注意の食べ方になるのです。
野菜に含まれる硝酸性窒素は口の中で「亜硝酸性窒素」という物質に変化します。実際に白菜100gを食べた後の唾液を測定してみると、通常の
5倍~10倍
くらいの亜硝酸性窒素が測定されたという報告があります。それが加熱して増加した肉や魚のアミンと化合し、「ニトロソアミン」に変化するわけですから、注意が必要。ガンの食事療法などで野菜をたくさん食べる傾向がありますが、野菜なら何でも良いにはならない。野菜の質や中身についても留意が必要になるのです。
■赤ちゃんが青く・・・
強い発ガン性の他にも、硝酸性窒素は酸欠・窒息状態を引き起こします。代表的なのは幼児が青くなって死んでいく、
「ブルーベイビー症候群」
といわれる急性の症状です。これは今から約50年以上前、アメリカでホウレン草の“裏ごし”を食べた幼児が
次々と窒息死する事件が起きました。300人近くが急性症状にかかり、そのうち
“39名”
が亡くなった。血液中の酸素を運ぶヘモグロビンの働きを阻害した結果として起こる病気で、「メトヘモグロビン血症」と名づけられています。
毒への耐性は体重に比例します。だから小さいお子さんがいる家庭では細心の注意が必要です。また北海道で、硝酸性窒素を大量に含んだ牧草を牛が食べ、急性の酸欠で大量死した事件が10年ほど前に起きました。他にも糖尿病やアレルギーの原因物質として警告を発する研究者もいます。
WHO(世界保健機構)は硝酸性窒素の安全基準を定めています。「安全基準」とは一日の摂取量が基準値以内ならば、一生摂り続けても問題がないと考えられる量のことです。その数値は体重1kgに0.836mg(体重50kgの人は0.042g)です。つまりこの量を超えると発ガン性や窒息などのリスクであるという警告です。
■選ぶならコレ!
ヨーロッパでも安全基準を設けているのですが、日本ではいまだ定められていません。こういう状況ですから、硝酸性窒素への関心が低くても仕方がないのかもしれません。しかしこの数字はあくまでWHOの基準値に過ぎないことを抑えておく必要があります。日本人は世界的にも類のない
「野菜好き」
ですので、より注意が必要となります。イギリスでは環境教育プログラムを定め、小・中学生に硝酸性窒素の危険性を教えています。子供たちに指導し、食や環境への意識を育てています。他国の良いところは素直に見習う姿勢が大切です。
肥料の投入量によって硝酸性窒素の含有量は上下していきます。私たちは有機か、無農薬かというところにどうしても目が向きがちです。でも使われた肥料がどれくらいの量であったか、またどのような肥料を使ったかを問うことも極めて重要であると思います。
肥料を一切使わない自然栽培の野菜は硝酸性窒素のリスクはより少ないといえます。しかし、自然栽培といえども、過去に使ってきた肥料によっては硝酸性窒素の数値が多少高く出る場合があります。
だからこそ、自然栽培の農家の方々には、肥料を吸う力の強い小麦などの作物を同時に栽培することも必要になるのです。土の中の過剰な栄養分を吸い取ることで過去に使われた肥料を取り除いていくのです。
■リスク回避の食べ方は!?
もちろん、どんな野菜でも食べるときは感謝して、ありがたく楽しく頂くことは前提になります。また、今スグ肥料や農薬を使わない農産物で全世界、全国民の人口分を今すぐまかなえるわけでもありません。
そういう意味では、現状、肥料や農薬を使った栽培も必要なのだと思います。でも、一方で食におけるリスクを知り、向かうべき方向を見定めることも重要ではないか?と思うのです。
肥料の歴史があったればこそ、これまで人類は食をつないでこれました。でも、もしより自然な食生活があるとしたら・・・、私たちは常に次のステップを知っておく必要があるように思います。
硝酸性窒素のリスクは、葉野菜を生で食べないことで軽減させることができます。茹でれば、
「含有量が減る」
ことがわかっているからです。特にガンなどの食事療法で野菜をたくさん食べるあなたには、是非とも知っておいてもらいたい防衛術になるので、参考になればと思います。
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