感染症の原因は菌か?人か?医学論争に学ぶナチュラルライフ実践術!

菌が悪くて人は悪くない。これが現代医学の感染症に対する考え方です。だからこそ殺菌剤や抗生物質、ワクチンが濫用されるのですが、それは1つの仮説に過ぎません。ヨーロッパ医学論争を題材に人と菌のあるべき関係について考えてみます。
■目次
1、本当に全部菌のせいなの!?
2、感染症の原因は菌なのか?体なのか!?
3、感染症は菌ではなく体の方に問題あり!
4、致死量1万倍のコレラ菌を飲んでみた結果は!?
5、現代医学は果たして勝利を収めたのか!?時代は変わる!?
人のせいにする。
人生で最も嫌われる態度といえるでしょう。
何をやっても誰かのせい。自分は正しく相手が悪い。これではお互いの関係を良好に保つことは難しいわけなのです。
力関係で理不尽を受け入れざるを得ない時もありますが、咲くのも散るのもただ潔く。そんな態度で日々を送りたいものです。
何かのせいにする。
それは医療の世界でも同じです。本当の原因にメスを入れることなく、
”菌が悪い!”
”新種のウイルスが!”
このように常に菌は一方的に悪者にされてしまっているのです。
私たちは菌からたくさんの恩恵を受けているにも関わらず、そこはあまり評価しない。
”汚い!”
”バッチィ!”
”悪い病気の元!”
そんな風に決めつけられてしまっているのです。
でもそれは本当に正しい見方なのでしょうか?一つの仮説に過ぎないのではないでしょうか?
ココでは菌と人との関係について述べてみたいと思います。
■菌なのか?体なのか?
「パスチャライズド牛乳」
自然食に関心のある方なら聞いたことがある言葉ではないかと思います。
要するに低温殺菌牛乳の製造法のこと。カルシムなどの有用成分を壊すことなく、時間をかけて雑菌を殺す製造方法です。
このパチャライズドという言葉はパスツールというフランスの細菌学者の名前から付けられた言葉。結核やコレラなど当時猛威を奮った感染症の原因を、
「菌」
によるものと主張した人がパスツールです。他にもコレラ菌を発見したドイツの細菌学者コッホなども同様の説を唱えたわけです。
結核にかかるのは結核菌によるもの。コレラにかかるのはコレラ菌によるもの。私たちの体は一方的な被害者で、悪いのは菌。
現在の医療もパスツールやコッホの「感染説」を土台にしているといってよいでしょう。
■真向から反論!
でも、これは一つの見方に過ぎません。実際にヨーロッパを舞台に激しい論争が19世紀に起こりました。
感染説に反対して、「内部環境説」を強力に唱えた学者がいたからです。その代表格がフランス人医師のペシャンやフランスの生理学者・ベルナールです。
結核やコレラにかかるのは菌が悪いのではない。私たちの体の中のバランスが崩れていることにこそ問題がある。菌は本来私たちの健康を助けてくれるものだが、不健康を続け体力が衰えた時に病的になる。
全ての病気は私たちの体の健康状態で決まるもの。だから、
「菌のせいにするのはおかしい!」
と真っ向からパスツールやコッホの説に異を唱えたのです。さらにベルナールの内部環境説と同じく、「人体環境要因説」を唱えたのがペッテンコーファー。
ペッテンコーファーはドイツの衛生学者で、「環境医学の父」、「近代衛生学の父」とも呼ばれる人物。ペッテンコーファーは、菌が問題なのではなく、菌に侵されてしまう体の方に問題がある。
そう強力に主張をしたのです。
■致死量1万倍のコレラ菌を!
ペッテンコーファーは論争に飽き足りませんでした。
何とコッホが純粋培養した致死量の1万倍ものコレラ菌を実際に飲んで見せたのです。それにより菌なのか?人の内部なのか?の論争の決着を図ろうとしたのです。
パスツールやコッホの説が真実ならば、ペッテンコーファーは死亡するはずです。注目の結末がどうなったかといえば、
”下痢をしただけ”
コーファーは死ぬこともなく、重症に陥ることもなく、ただそれだけで事なきを得たのです。
でも、コーファーの勇猛果敢な行いは、
”たまたま”とか、”菌は悪くないという強い信念がコレラをも凌駕した”
そのように扱われ、真面目に取り上げられることはなかったと伝えられます。
■論争は収束し現代へ
こうした19世紀のヨーロッパで起きた激しい論争は収束していきました。
命を賭けて自説の正しさを証明したペッテンコーファーは変わり者扱いをされ、その後うつ病になり、1901年ピストル自殺を遂げたのです。
ベルナールもペシャンも変人として扱われ不遇だったといわれます。こうして「感染説」は医学の主流として今日まで繋がれています。
抗生物質や殺菌剤、ワクチン、予防接種など、効果のほどはさておき大量に使われ続けているのです。
それは医療の分野のみならず、農業や食品製造の現場においても感染説が支持され、日々たくさんの菌が病原菌と言われて殺され続けています。
そしてその殺戮の結果、私たちは菌からの逆襲を受けています。それが薬剤耐性菌の問題や抗生物質を食べて繁殖するスーパーバグの出現に手をこまねいたままでいるのです。
(※参考:『菌からの逆襲!?もはや抗生物質が効かない時代に!?』)
感染説を主張したパスツールは死の床に臨み、こういったと伝えられています。
「私の細菌論が間違っていた。細菌を取り巻く環境が健康を左右するのだ」と。
より自然で安全なライフスタイルを模索する私たちは、「感染説」は1つの仮説に過ぎないことを知っておくべきでしょう。
そして衣食住をなるべく自然で無理なく整え、菌が体内に入っても大きな問題にならない自分づくりが必要ではないかと思います。
ペシャン・ベルナール・ペッテンコーファーが命がけで主張した「内部環境説」は再度注目を集め、支持が広がる時代が来る。
そんなことを思います。
■このページのまとめ
・感染症の原因は菌とする感染説と体内にあるとする「内部環境説」がある ・普段は健康にプラスとなる菌も不健康を続け体調が悪くなると病的になる ・ペッテンコーファーは致死量の1万倍のコレラ菌を飲んで下痢をしただけ ・感染説が勝利し現代医学にまで連綿と繋がれ、抗生物質やワクチン全盛に ・現代医療は薬剤耐性菌やスーパーバグの問題に対して無力である ・今後「内部環境説」は再評価されることは充分予想される |
■参考文献
・コッホVSペッテンコーファー:http://blog.tenyudou.com/?eid=2200
・パスツールの遺言とウイルス進化論
・コレラ菌を飲んだ人・ペッテンコーフェル:http://jiritsusaisei.blogspot.com/2011/03/blog-post.html
・どの抗生物質も効かないスーパーバグが世界に蔓延
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