化粧品のオリーブオイルの効果はどうなの!?肌の劣化を招く盲点は?

■目次
1、オリーブオイル化粧品の効果は!?
2、自然な皮膚の仕組みとはなにか!?
3、角質層の自然な生成プロセスは!?
4、皮膚の劣化が促進?その理由とは!?
5、美肌実現は小手先ではなく王道で!
「自然派・天然化粧品」
これらが人気となっています。合成界面活性剤を使ったものやシリコンの入ったようなもの。こうしたモノが入った化粧品はできるだけ使いたくない。
肌は今だけキレイならそれで良いというものではなく、生涯にわたる長期戦。こうしたことから、できるだけ天然・自然の成分を使ったものを肌につけたい。そう思う方が増え続けているのです。
そこで、注目されるのが天然のオイル類の効果。肌に潤いを与える目的で、さまざまなものが使われていますが、中でも、
「オリーブオイル」
食品としても馴染みがあるし、“高酸化力が強い!”といわれ、保湿力の高さが得られるとの効果が魅力のこのオイル。食べられる化粧品として、オリーブオイルが人となっている模様です。
でも、オイルを肌につけるとは
どういうことなのか?
知られざるリスクなどは
一切ないのか?
肌に直接使うものだからこそ、きちんと知っておきたいもの。
そこで今回は、「自然の肌の仕組み」について考えることで、無投薬無医療の生き方実現のヒントについて考えてみたいと思います。
■肌の自然な仕組みとは!?
私たちの皮膚は、大きく言って三層構造になっています。
一番下が「皮下組織」で油ギッシュな脂肪のカタマリ。コラーゲンですよね。その上にあるのが「真皮層」で、その真皮層を守るかのように「角質層」が形成されているのです。
中でも一番外側、体の表面を覆う角質層は、
“美容のキモ”
ココを自然でムリなく保つことが、美しい肌を長期に叶える最重要ポイントになるのです。
そんな角質層なのですが、これはいわば死んだ皮膚細胞が積み重なってできているもの。真皮層と角質層の間で生まれる皮膚細胞が、表皮に向けて上に上がっていく。
その過程で、細胞核が抜け落ちて、死んだ皮膚細胞になる。これが
「角化」
といわれる現象です。角化がきちんと行われることで、健康で頑丈な角質層が作られていく。1番上の角質層は3日くらいで役目を終えて、剥げ落ちていく。
この工程を繰り返し、28日間で全ての角質が入れ替わる現象を、
「ターンオーバー」
と呼んでいるのです。健康でみずみずしい肌の実現には、この周期を自然のリズムで行わせる。このことが大切になるのです。
■角質層の自然とは?
そんな角質層に、オリーブオイル配合の自然派化粧品を塗るとどうなってしまうのでしょうか?
オリーブオイルの特徴は抗酸化力の強さで皮膚の表面に塗ることで、角質の酸化を防ぐことになるわけです。それが果たして皮膚の健康にどのような影響を与えるのか?
東京薬科大学研究所所長の小澤貴子氏は著書『ウソをつく化粧品』の中で、以下のように述べています。
「皮膚が外気と接している部分は、角質層という死んだ細胞の集まりです。死んだ細胞に一生懸命、抗酸化成分を塗ってどんな効果が出るのでしょうか?」
と述べ、
「オリーブ油は、皮膚のバリア機能によって肌の内部に浸透もできませんので、皮膚の内部組織に働きかけて、抗酸化性を発揮することができません」
このように述べているのです。
私たちの皮膚は角質が10~15層の防御壁となっているため、皮膚の内側には
何も通さない
仕組みになっている。つまりオリーブオイルは角質の表面に留まるだけで、真皮層に到達することは起こらないというわけです。
この角質によるバリアを通過させるには、角質層を破壊する以外に手段がない。
“合成界面活性剤がキケン”
といわれる理由は、角質を壊して、真皮層、皮下組織へ美容成分を届けてしまうこと。それはつまり本来は入ってはならない場所に、人工の化学物質である美容成分という入ってはならない異物が入り込むことを意味する。
それが肌の乾燥やシワ、シミ、たるみ、などの劣化を招く原因になってしまうのです。
■皮膚の劣化を促進!?
また高酸化力のあるオリーブオイルは、角質層の自然な角化を妨げる要因にもなります。
角質の角化は、皮膚表面が酸素に触れることで、角化が促進されていくと小澤氏は指摘しています。つまりオリーブオイルで酸素と角質を遮断してしまうと、健全で自然な角化の工程に
「狂い」
が生じてしまうと、小澤氏は述べているのです。
「皮脂の脂肪酸が酸化して、ほどよい刺激になることで、角質層が死んでいくことを促します。すると、皮膚の内部では、いそいそと新しい皮膚の細胞が作り出され、皮膚の表面の角質層はより強靭性が増すので肌が丈夫になったと感じるようになります」
このように解説するのです。
そして、どうしても抗酸化成分を皮膚に送りたいなら、「食事から摂ること」。血液に成分を乗せて、それを皮膚に送り届けてもらう以外に方法がないと述べています。
ビタミンにしろセラミドにしろ、化粧品会社は皮膚から直接入れるようなことを言いますが、そうするには合成界面活性剤を使って角質層を破壊しない限り
“不可能”
合成界面活性剤は健康にとっても危険だし、皮膚の劣化を早めてしまうことに繋がっていく。オリーブオイルであろうとホホバ油であろうと、合成界面活性剤であろうと、塗れば皮膚にダメージを与えてしまう。
こういう結果を招いてしまうのです。
■美容は王道で実現!
皮膚には何もしないことが一番良い。それが美肌実現を叶える最短距離になる。こういうことになるのですが、私たちの皮膚には、約1兆匹といわれる
「皮膚常在菌」
たちがひしめくように生息しています。皮膚1センチ角あたり、20万個の菌たちが住んでいるといわれているのです。この菌たちが皮脂腺から分泌される皮脂を食べたり、剥がれ落ちそうな角質を食べたりすることで、
「ナチュラルモイスチャーファクター(NMF)」
といわれる天然の極上のナチュラルクリームを皮膚上に広げてくれる。このNMFこそが肌に潤いとハリ、みずみずしさ、プルプル肌実現の大きなポイントになる。美肌実現を目指す私たちは、皮膚常在菌たちの活動をより活発に、元気に促進してあげることが大切になるのです。
常在菌が喜ぶポイントは、まずは「健全な食事」です。農薬や添加物などの異物を極力体に入れない努力をし、健康な皮脂を菌たちに供給してあげる必要が一点目。
二点目としては、菌たちは、
「汗が大好き」
汗をかくことで菌たちがリパーゼといわれる皮脂分解酵素を活発に分泌し、皮脂を
“脂肪酸や脂肪酸エステル”
に変えていく。それらが汗と混ざることで、より美しくみずみずしい素肌を叶える秘訣になるといわれているのです。
常在菌たちは汗をかき、体温が上がった表皮の温かい状態を好みます。低体温は美肌実現を妨げてしまうので、しっかり体を動かして血流を促進することも大切です。
また浴室でも洗面所でも、合成界面活性剤などの強力な殺菌力を持つ薬剤を使わないことも大切。さらに、皮膚をゴシゴシ洗ってしまうと、菌たちも流れ落ちてしまいます。洗いはソフトにやんわり行うことも忘れてはなりません。
極端な減塩も体温を低下させてしまうので、しっかりした自然の塩をしっかり摂ることも大切です。夜は22:00~2:00の間に就寝することも極めて大切といわれています。
結局、クリームなどをいくら使っても美肌のためにはマイナスになるばかり。健康や美容は遠回りのようだけど、生活環境を
「自然に整える」
これ以外に方法はないようです。ぜひ参考にしてもらえればと思います。
■参考文献
・『ウソをつく化粧品』 小澤 貴子 著 フォレスト出版 刊
・『最新版 肌断食: スキンケア、やめました』 平野 卿子 著 河出書房 刊
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