自然食業界キャリア15年のOBが綴る

菌からの逆襲・抗生物質がもはや効かない時代に!?

2018/10/18
 
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生協、有機野菜の宅配団体などに15年在籍し、自然食業界の裏表を目の当たりに。本当に安全に食べられる食材とは何か?日々追求しています。

前回は菌と人との関わりやキズへの消毒は考えものといった内容について述べてしました。今回は菌が薬剤に対して耐性を持つ、そのことが引き起こす深刻な事態について考えてみたいと思います。
■目次
1、殺菌・抗菌の嵐がもたらすものは!?
2、生き残ればそこから超高速!菌には勝てない!
3、薬剤は無力化してしまう!?耐性菌の現状とは!?
4、菌を敵視しない暮らしのあり方・自然に学ぶ考え方は!?

菌は悪いもの。

 

汚いもの、深刻な病気を招くもの。良いことなんてひとつもない。

 

私たちは菌に対してこのような考えを持っているです。

 

「殺菌・抗菌」

 

このことは社会全体、隅々にまで行き渡っているように思います。

 

食べものにも、生活用品にも、家具や家電、車のハンドルやボールペンに至るまで殺菌・抗菌処理が施されている。

 

菌は悪者だから殺し続けなくてはならない。こうなると人類の理想は

 

「無菌状態にこそある!」

 

そんな極端な考えに囚われていると危惧するのです。

 

緑の地球は菌がいっぱいだから汚くて気持ち悪い。

 

”そうだ、菌のいない火星に行こう!”

 

宇宙旅行が近い将来現実化すると言われる昨今、そんな極端なことにならないか?と危惧するわけです。

 

無菌状態を理想にしたかのような私たちの暮らし。それは地球の火星化を目指すための涙ぐましいの努力、そんな風に思えてならないのです。

 

でも過剰な殺菌を続けた結果、私たちは“菌からの逆襲”を受けている。薬剤を使って菌を殺したつもりになっているようですが、どんなに殺してみたところで菌たちは決して全滅しない。

 

多くは死んだとしても必ず生き残りが出るものだからです。

生き残り

 

■超高速で増殖!

殺菌剤をどれだけ撒いても、1億匹に1匹の割合で生き残ると言われています。

 

この薬剤にも負けない生命力の強い菌は、

 

「薬剤耐性菌」

 

と呼ばれるものなのです。

 

薬剤耐性菌は生き残ってそれで終わりとはなりません。生き残りさえすればスグさま増殖を開始する。それは院内感染や鳥インフルエンザのニュースなどからも分かることだと思います。

 

薬剤への耐性を保持したまま増殖していく。それが私たちの健康な暮らしを脅かす脅威にもなっているのです。

 

■薬剤は無力化へ

生き物の増殖には一定の時間がかかります。

 

植物のタネなら概ね1年、ヒトなら15年くらいの時間がかかるわけですが、菌はというと、

 

”分単位”です。

 

長くても何十分で瞬く間に増殖していく。生き残った菌はもはやその薬剤で死ぬことはない。薬剤に対する耐性を獲得したまま増え続けていくのです。

 

しかも単に増えるだけではなく、超高速で増殖を繰り返していくのです。

 

私たちがどれだけ強力な薬剤を使っても、菌を完全に討ち滅ぼすことなどできないわけなのです。抗生物質の開発と薬剤耐性菌の問題は“モグラたたき”のようなもの、そう言わざるを得ません。

 

つまり菌の方が何枚も上手。

 

アルミニウムや青酸ソーダなどを食べ、繁殖する菌もすでに見つかっているのです。

 

それどころか、抗生物質などの殺菌剤を食べて増殖するスーパーバグの存在までも確認されているのです。

 

この抗生物質耐性菌が繁殖していけば、もはや抗生物質は無用の長物になるわけです。私たちの体内に侵入したら最後。

 

添加物や殺菌剤などの残留物が体内にあれば、それをエサに毒素をまき散らしながら体内で増殖を繰り返していく。何も投与することができず、蹂躙されるままになるしかない。

 

医療は完全に無力化することを意味しているのです。

細胞分裂

 

■菌はお掃除部隊!

薬剤耐性菌の問題を考えるにつけ、彼らは緑の地球の持つ意志の表れ。

 

そんな風にいえるのかもしれません。

 

地球上にあってはならない物質を排除する使命を持っているとも考えられるからです。

 

自然界には存在しない抗生物質や殺菌剤、人工の化学物質などを分解し、地球に還していく役割を果たしている。薬剤耐性菌の活動はこのように考えることもできるのです。

 

肥料も農薬も一切使わない自然栽培。その生産者の中には、虫や病原菌の発生を喜ぶ人もいるのです。

 

通常、虫や病原菌は農家にとっては”憎き奴”なのですが、それらが発生するには発生するなりの理由がある。環境に応じて現れるものだからです。

 

つまり虫や病原菌がやってきて作物の体を駆逐することで、土がキレイに掃除なっていく。土に投入され続けてきた農薬や肥料を処分するために虫や菌は現れると考えるのです。

 

自然の土の中に残存する有機肥料や化学肥料、農薬などの不自然な異物を土の中から取り除くために作物の体を犠牲にする。

 

虫や病原菌は土を不自然な状態から自然なあるべき姿に変えるための”お掃除部隊”として捉える。

 

この考えに基づき肥料も農薬も使わない自然栽培は行われるものなのです。

 

薬剤耐性菌の問題から抗生物質はますます無力化しているように思えます。そうした中、菌について深く学ぶことは今後ますます重要になるのではないでしょうか?

殺菌剤

 

大騒動にまで発展した「O157」の問題にしてもハイテクを駆使した医療先進国、ドイツやイギリス、アメリカ、日本などで起りました。

 

一方、インドやアフリカ諸国、北朝鮮などには患者がいなかったことも心に留めておく必要がある。

 

「原因あって結果あり」、もう一度この原則を思い起こしたいものです。

 

■このページのまとめ

・殺菌しても菌は耐性を持って生き残る

・生き残った耐性菌は分単位で増殖する

・薬剤を食べて増殖するスーパーバグを確認

・抗生物質が効かない時代は目前に迫っている

・自然栽培に学ぶ菌を敵視しない暮らしの実現を

 

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■参考文献
どの抗生物質も効かないスーパーバグ

■参考文献
副作用―その薬が危ない』 祥伝社新書 大和田 潔 著
人体常在菌のはなし ―美人は菌でつくられる』   集英社新書 青木 皐 著
『菌の常識 人間の非常識』 平凡社新書 井上 眞由美 著

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