脱肥料で無農薬栽培!カギとなるお助け植物はコレ!

■目次
1、植物の養分を再度おさらい!
2、そのままでは使えない理由はココ!
3、稲妻が意味する自然の恩恵とは!?
4、肥料被害の切り札は自然物の活用を!
当然ながら・・・、
植物が成長するためには、養分が必要です。農学では植物の三大栄養素を
「窒素・リン酸・カリ」
と定めていますが、植物は雨・太陽光線、そして根から三大栄養素を主に吸い上げて成長し、次の世代へと生命を繋いでいくのです。
植物の三大栄養素の中で最も重視されるのが「窒素」。
窒素は葉肥といわれたりもしますが、葉っぱを大きくし、そこに太陽光線をふんだんに受け、二酸化炭素を摂り入れ、酸素と糖分を作り出します。植物固有の活動、「光合成」です。
窒素はいわば植物を成長させるカナメとなる養分なのです。
■そのままでは使えない!?
自然の植物はこの窒素を土の中から探し出し、吸い上げています。
窒素そのものは自然界に豊富な物質で、大気中の78%はこの窒素分。豊富な天然資源といえるのです。
でも、植物は大気中の窒素をそのまま根から吸収できない。吸収には吸収可能な形に加工しないといけないからです。
窒素は原子と原子の結びつきが強く、「三重結合」しているといわれ、植物はそのままの形で根から吸い上げることができません。
クルミを食べるには外側の硬い殻を破り、中の薄皮を取り除かなくてはなりません。窒素もこれと同じで加工してあげないと、植物の養分にはならないのです。
クルミの殻を壊すにはクルミ割機、窒素の三重結合を分断するには、
「雷と微生物」
これらの自然の力の助けがあって初めて、植物の養分になるのです。
■稲妻が意味するもの!?
私たちは雷のことを”稲妻”と言いますが、読んで字の如く稲の妻。稲の成長に欠かせないサポート役であることを意味しています。
雷の爆発的なエネルギーを大気中の窒素が受け、それにより三重結合が壊れ、雨に溶け大地に落ちる。雷の多い年は稲が良く育つことから稲妻と名付けられたわけです。私の畑でも雷があると、翌朝は野菜も雑草も大きくなっている。
そんな光景を実感するわけなのです。
(※絹サヤもマメ科で土を肥やす)
雷以外に三重結合の窒素を分解できる能力を持つのが微生物・菌です。土の中に住む菌たちの働きによって野山の植物は成長に必要な窒素を土から吸収しているのです。
例外的にマメ科の植物は空気中の窒素をキャッチし、それを根っこに共生している菌たちに分解してもらうことができる。こうした能力があります。
だからマメ科の作物の傍に、栽培したい作物を植えておくと立派な作物を収穫できる。このように大豆などの力を借りて栽培する農家もいるわけです。
■肥料を止めて自然利用!
昔は米作りの際に畔に大豆を植えていたものです。枝豆が”畔豆”とも呼ばれる所以はココにあるわけです。
大豆が空気中の窒素をキャッチして微生物の力を借りて分解してくれる。このように説明はできなくても、経験則で大豆などのマメ科の野菜を植えることの恩恵を知っていたわけです。
今は有機・化学を問わず窒素などの栄養が凝縮した肥料を使うことがほとんどなので、田んぼの畔に大豆を植える習慣はほとんど絶えてしまったわけです。
有機であれ、化学であれ、肥料という凝縮した栄養のカタマリを作物に与えれば、虫や病原菌の被害に遭いやすくなります。肥料を使えば農薬が不可欠になるわけです。
農薬の害はもちろん、肥料を使った野菜は未消化の窒素分が体内に多く残ってしまう。そうした野菜を食べるとガンやアレルギー、糖尿病などのリスクが上がってしまう。
また肥料を使った野菜は腐りやすく、日持ちしないので、なるべく使わないことが安全で自然な野菜を栽培するポイントになります。
マメ科の野菜と共生させる栽培方法、畔に大豆を植え田んぼに養分を供給する農法。このような昔ながらの知恵を活用した、自然で安全な野菜作りが広まれば良い。
夏野菜、雷シーズン到来を前にそんなことを思います。
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