異物混入と健康診断・早期発見の知られざるリスクとは!?

企業が被るダメージを軽減する。こうしたことから各業者で様々な工夫がされています。ココでは食品の異物混入の事例から、医療における健康診断の問題点についても考えてみます。
■目次
1、クレーム被害は尋常ではない!?
2、食品業界のクレーム対策はココまで!?
3、高温処理を不要にするカンタンな処理法は!?
4、健康診断を受けるなら心構えしっかりする!?
5、たかが検査と侮ることなかれ!病気予防の最高の策は!?
クレーム恐怖症。
どの企業も戦々恐々としているようです。
クレームを受ければ、その内容は瞬時に国境を越えて世界に広まっていく。ネット、SNSなどで悪い噂は瞬く間に不特定多数に拡散してしまうのです。
以前、悪い噂は12人に広がる。そのように言われていた時代がありましたが、今はその比ではない。
同じ興味関心を持つ人々へ拡散するわけだから企業としてはたまったものではない。大手の会社などでは専門の危機管理部門を設けて、ネット上の噂に対して神経を尖らせている。
こうした時代になっているのです。
■クレームを未然に防げ!
これは食品業界も一緒です。
商品に異物が混入していればもう大変。マスコミもネットでも大騒ぎになり、全品回収など、とんでもない事態へと発展してしまう。
異物混入は経営に大きな打撃を与えてしまうため、各企業も厳重な警戒網を敷かざるを得ない。それが食品業界の現状とも言えるでしょう。
とはいえ、どんなに注意を払ったところで完全に異物混入をなくすことは難しい。限りなくゼロに近づけることはできても、
“絶対起こらない!”
そうとは言いきれないものなのです。そこで最近は、
「X線異物検出機」
こうしたものが使われるようになっています。商品を工場から出荷するための最終工程として、異物混入チェックを行う検出機です。
具体的にはX線などの放射線を浴びせかけることで、商品に異物が混ざっていないかを入念に検査するためのものなのです。
異物混入を防ぎたい気持ちは分かりますが、そこは食べもの。口にするものに放射線を浴びせて大丈夫なのか?
こうした懸念の声も少なくないのです。
一般の食品で行われるものと思いたいところですが、“自然食”と名乗るものでも行われているケースも実際にあるのです。
■高温処理を不要に!
また食材への放射線照射は”未来の農薬”として期待されている面もあります。
放射線の強い透過力を用いれば、生物のDNAを損傷させることができる。高い温度での殺菌処理をす行う必要もなくDNAに作用して細胞分裂を止めることができる。
その結果、殺虫・殺菌・芽止めなどの処理を簡単に行える。こうしたことから食品照射は”第二の農薬”ともいわれているのです。
食中毒を防ぐことができるとし、アメリカでは食肉・果実・スパイス類に年間10万トン。中国ではニンニクやスパイス類に年間70万トンもの照射食品が出回っているのです。
日本ではジャガイモの芽が出ないようにする目的で使用が許可されています。ジャガイモに放射線を浴びせれば細胞分裂が止まり、もはや芽が出なくなる。
売る側も芽かきなどの除去作業を省くことができるし、買う側も芽が出ないので長期の保存が可能。一挙両得のものとして、ジャガイモだけは許可されているのです。
でも、ジャガイモの芽が伸びるのは、生きている証でもある。芽の出ない不自然なジャガイモは生命のないジャガイモ。それを本当に食べたいと思うのかどうか?
食中毒などの事件が起こるごとに放射線照射を広範囲に”解禁するように!”という声が高まりますが、今後の展開はいまだ不透明なのが現状です。
もちろん、すべてのジャガイモに行われているものではなく、あくまで一部。野菜室の古いジャガイモの芽が伸びていれば、照射されていないことの証明になるので確認してみると良いでしょう。
異物混入にしろ、照射食品にしろ、そのような処理を施した食材を食べたいかどうかは、それぞれの判断です。
でも、“自然・安心・健康”を全面に打ち出した自然食材でこうした処理を行うのはどうなのか?それはあまりにも行き過ぎているのではないか?と思うのです。
■検診の落とし穴!?
医療においても「検査」の重要性が叫ばれ、早期発見・早期治療の大切さが盛んにいわれています。
健康診断、人間ドッグ、CT、MRI、PETなどで問題箇所をいち早く発見しなければ大変なことになる!
検査なくして健康なし、そう言わんばかりにタレントなどを起用して、国を挙げての一大キャンペーンが行われているのです。
CTスキャンは脳や臓器などを輪切りの断面で見ることができるものです。エックス線を人体に照射することで、コンピューターで解析が可能。
問題箇所を漏らさず正確に見つけられるというわけです。
でも、レントゲンの被ばく線量を「1」とすると、CTスキャンやPETは10倍~100倍にもなることがいわれます。検査する場所によっては400倍にもなる、そう警告する声もあるのです。
こうした検査による被曝線量の国際的な規制値はないのが現状です。また体内透視の検査時間は、医者やレントゲン技師の判断と技量によって変わるといった人為的な差もかなり出ます。
検診を受けて大丈夫だったのに、その後ガンが見つかり、医療機関が訴えられるケースもあることを想定してより過剰な検査が行われるケースもあります。
胃ガン検診は7枚のレントゲン写真を撮ることが望ましいとされるだけで、上限枚数やX線透視検査の制限時間も決められていないのです。
MRI は人工の電磁波を浴びせ人体の問題個所を検査するものですが、CTなどのように被曝しない。検査の安全性を売りにしている面がありますが、大量の人工の電磁波を浴びることのリスクについてはほとんど指摘されないのです。
CTにしろ、MRIにしろ、人口100万人当たりの保有台数は世界でダントツのトップ。2位以下を大きく引き離しているのが現状です。検査設備に恵まれた国として称賛される傾向にあります。
MRIの1台の値段は安い機械で4000万円、高いものだと10億円といわれ、CTは大体その半分くらいといわれます。医療技術の進歩は目覚ましいこともあり、何年か後には買い替える必要だってあるわけです。
医療機関からすれば、何千万円、何億円を投じて、導入した機械なのだからしっかり元をとらなければなりません。受診を呼びかけることで投資金額を回収する。
それが検査の必要を声高に唱える背景にあることも事実なのでしょう。
■たかが検査ではない!?
「検査」は不安なものではありますが、手術に比べれば心理的なハードルが低いことも事実。PR活動を鵜呑みにして安易に受診することは、莫大な放射線被爆と引き換えになることを意味する。
たかが検査なのでしょうが、リスクを覚悟した上で受ける必要があるものです。
医学博士の近藤誠氏は、「病気なりたくなければ医療機関にできるだけ近づかないように」と警告しています。特に「健康診断は受けないように」とその著書・『成人病の真実 (文春文庫)』で強く言及しているのです。
被曝線を受けてしまうことに加えて、病気でもないのに病気にされてしまう現実がある。医療は経済活動なので、健康診断で患者を作り続けているというわけです。
食品にしろ、健康診断にしろ、アンテナを高くしておく必要はありますね。
■このページのまとめ
・異物混入を防ぐため放射線検査が食品で行われている ・自然食品を名乗る食材でも行われているケースがある ・食品照射は第二の農薬として期待されている面もある ・日本ではジャガイモのみ使用が許可されている ・健康診断にも被曝のリスクは当然あるので、覚悟も必要 ・医療機関も高額機器の購入代金を回収せざるを得ない ・健康診断といえども油断は禁物なので安易に考えないことが大切 |
■参考文献
・医療被曝
・胃ガン検診における直接X線検査の基準化
・『検診で寿命は延びない (PHP新書 669)』(岡田 正彦 著)
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