食の安全と成人病との関係は?トロが教える現代病の原因は!?

■目次
1、日本人が好む好きな食べものランキングは!?
2、あの高級食材もかつては廃棄の対象だった!?
3、戦後に訪れた北を巡る大変革・その結果起きたのは!?
4、インディアンに深刻な病気が蔓延したその理由に迫る!
5、伝統食の価値と意味・風土に根差した食生活の大切さ
6、幹を重視し枝葉を捨てる!力を入れるところと抜くところとは!?
三位はラーメン、二位はカレー。
何の順位だと思われますか?
これはあるアンケート調査会社が実施した日本人の好きな食べものランキングの結果です。
個人的にはカレーよりラーメンの方に軍配を上げたいわけですが、調査ではこうなっているようです。そうなると気になる1位は何であるか?そうです、1位は
「寿司」なのです。
今も昔も日本人は寿司が大好き、そのことに変わりはないようです。でも、寿司ネタとなると、昔と今とでは明らかな違いが出てしまう。その差が一番出ると思われるのが、
「トロ」
トロの評価は昔と今とでは大きく違うわけなのです。
■ゲスの食いものが!?
トロといえば現代人は大機好きな寿司ネタで、最上位にランクされる確率が最も高いものでしょう。
でも、昔の日本人はトロなんて見向きもしなかった。
”トロはゲスの食いもの”
そんな風に蔑まれていたのです。
なぜトロはゲスの食いものなのか?今と昔でどんな違いが起きたのか?
そこに健康で安全な食卓づくりのポイントがあるのではないかと思うのです。
■食の大変革が!
味が濃厚で脂っぽい。
これが江戸時代のトロに対する日本人の共通認識といわれます。一部の愛好家を除き、トロはこう評価されていたわけです。
今は高級魚、昔は大衆魚。それがマグロの位置づけで、いわば”下層の食べもの”とされていたのです。
下層と言われる人々も、決してトロを好まない。マグロは赤身を醤油漬けにして食べるだけのもの。トロは捨てるのが普通だったというわけです。
食べものを粗末にして・・・。
そう思う人は密かに捨てられたトロを持ち出して畑に肥料として使っていたようです。トロは食べものではなく、廃棄の対象だったのです。
現代では高級寿司屋でビックリの値段でもてはやされていることを知れば、当時の日本人はさぞや驚くことでしょう。
家畜の内臓を焼いたものを「ホルモン焼き」といいますが、その語源は”放るもの”で、いわば地面に放り投げられるもの。それが変化してホルモンと呼ばれるようになったといった説があります。
トロも同様の扱いだったわけなのです。
トロを喜んで食べるようになったのは戦後のこと。それまでは見向きもされない食材だったのです。
かつて鮭といえば、あっさり淡泊な日本各地のものでしたが、今は人気がない。ノルウエーやカナダなどの強くて濃い味の鮭が好まれています。
また、牛肉といえば「赤身」だったものが、今は霜降り肉が大人気。戦争を境に大きな味覚の変動が起ったわけなのです。
■伝統は崩れた!
昔の日本人は濃い味や脂っこいものを嫌っていた。
使う言葉が変化するように、味覚も時代の変遷で変わっていくものなのでしょう。
でも、戦後にこれまでに少なかったガンやアレルギー、糖尿病などの難しい病気が蔓延していることを思えば、その変化は本当に自然なものなのか?
疑ってみる価値はあるのでは?と思うのです。
濃厚な味、油っぽい食材。食座に満足感や刺激を求める傾向はやはり自然で安全な食卓づくりの妨げになってしまうと思うのです。
食生活の変化が起こした分かりやすい事例として、アメリカインディアンの例があります。実際にアメリカインディアンの間では、糖尿病をはじめとした成人病が深刻化している。
こうした報告があります。
かつてはそれぞれの集落で民族伝統の食べものを口にしていたアメリカインディアンたちが、兵役や工場での労働などに駆り出されていった。
都市に出たインディアンたちが、ハンバーガーやポテトチップスなどのアメリカのファーストフード文化を取り入れることで民族伝統の食のあり方が崩壊の一途を辿って行った。
そのことが原因でインディアンの中でも現代病が蔓延していると指摘する声もあるのです。
とりわけ顕著なのが、アリゾナ州のピマ族は、人口の70%が肥満傾向にあり、糖尿病の発生率は50%を越えるといった報告があります。
(※参考:ピマインディアンと糖尿病・肥満)
■風土に適した食生活を!
現在、日本人の2人に1人はガンになる時代で、国民の半分は何らかのアレルギーを持つと言われています。
糖尿病や高血圧症の患者の数も膨大で国の医療は年間40兆円を超えているのです。
治癒が困難な病気が蔓延する中、私たちの国の気候風土が育んだ食の伝統が崩れてしまっていることにも原因がある。
この国で生きた祖先が何を食べ、何を食べてこなかったか?この点を振り返り、そこから学ぶことは大切な事がらであろうと思います。
伝統の食べ方には何世代にもわたったテストをクリアしてきた検査済み・確認済みの食材なのですから。
■食生活の幹は!?
「トロにはそうした背景があるのだな。大好きだけど今後は控えるか・・・」
そう思う人もいるかもしれませんが、それはちょっと行き過ぎていると思います。
トロなどは毎日たくさん食べるものでもなく、たまに少量口にするだけの食材ですから。食べる際は鮮度保持剤などを使っていないトロを選んで欲しいのですが、少量を楽しみとして食べる分には問題がないと思います。
あれもダメ、これもダメと取捨選択をしてしまうと、周囲から孤立したり、自分の心にストレスがかかってしまうことにもなりますから。
でも、ごちそう食のトロなどとは違い、食生活の幹となるお米や野菜の選択は大切です。
日々口にするものだし、食べる量も他の食材よりは多いわけですから、米などの重要食材はしっかり選ぶことが大切であろうと思うのです。
今のお米は行き過ぎた食味追及の結果、旨みが濃厚でモチモチしたお米ばかりが売られていますが、それが様々な現代病の原因にもなっている。
そうした指摘もあるのです。
昔のお米はどちらかと言えば味が薄く、今の米よりもずっとあっさりした品種を選んできた。だからこそ主食というくらい、たくさん食べることができたわけです。
ふっくら甘いお米はモチ米との交配や紫外線・X線照射などの化学・薬剤処理の結果生み出されているものでもあるので、私たちの体にはハード。
他の食材よりも口にする機会が多く、食べる量も多いお米はできるだけ体に負担の少ないササニシキなどを選んで欲しいと思うのです。
(※参考:有機米・無農薬米でも安全ではない?ハードなお米の実情は?)
野菜もお米と事情は同じで、少しでも高く多く売りたい!この目的のもとで、タネの操作が日々行われ続けているのです。
“トマトの糖度は高くないと売れない!ナスもトロナスの開発を!”
こんな風にしてタネがいじられ続けているのです。
アメリカインディアンの主食のトウモロコシも、今ほどの糖度はなく、もっとパサパサしていたといわれます。
農薬の有無を心配することも大切ですが、お米や野菜の品種についてもしっかり確認したいところです。中でもお米は「主食」なので、食の安全実現のための最重要食材としてしっかり選ぶ必要を感じます。
今は肥料も農薬も一切使わない自然栽培のお米や野菜を通販で簡単手に入れることができるので、お米だけは品種にこだわり最高の安全性のものを選んでほしいと思います。
■このページのまとめ
・トロは昔はゲスの食いもので廃棄対象だった ・トロなどの濃厚な旨みの食材が持て囃されたのは戦後 ・アメリカインディアンにも成人病が蔓延している ・民族伝統の食は何世代にも亘る安全チェックが済んでいる ・基本となる食材はしっかり守り、あとは適度に楽しむこと |
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