食の安全を実現のための財布に優しい優先順位投資法!

いよいよ最終章です。
ここまでこのブログを読み続けてくださったあなたに、心からの感謝を申し上げます。
最終章で指摘したいのは、もう一度「主食のお米」の大切さについて。
お米離れが叫ばれて久しくなりますが、それにより私たちの体にどのような不利益があるのでしょうか?
ココでは最重要食材であるお米について、もう少しだけ詳しく考えることで健康で安全なナチュラルライフ実現の一助にしてもらえればと思います。
「パンや麺」
私たちの大好きな食材です。
手軽にササッと食べられるので、忙しい現代人には大人気。コンビニなどではありとあらゆるパンが売られているし、駅の構内には立ち食い系の蕎麦屋が併設されている。
現代人には欠かせない食材と言えるでしょう。
でも、パンや麺を食べることで、胃腸が弱くなってしまう。胃腸の弱体化に加えて、糖尿病などの深刻な病気の原因になってしまう。
こうしたリスクがあるのです。
■消化器官が弱体化!?
大きなケガや大きな手術。
そうなると私たちは「点滴」を受けることになります。点滴の中身が何であるかといえば、「糖分」。詳しくは「ブドウ糖」と言われる物質です。
点滴は大けがや手術の際に応急措置としてするものであって、普段は全くしないもの。もしそれを毎日すれば体は確実に蝕まれてしまうからです。
またお粥は風邪などを引いたときに食べるもので、普段から常食するものではありません。もし毎日おかゆを食べ続ければ、私たちの胃腸は確実に弱ってしまうからです。
ケガや病気の際は、食べものを分解し、吸収するプロセスをできるだけ省略する必要がある。体の治癒を最優先にするため、胃や腸にとって負担の少ない点滴やお粥を使うことになるのです。
■分解速度に問題!
私たちの体は食べものを食べ、それを胃や腸で分解することで自分に必要な栄養源を作り出しています。
胃や腸を働かせることなく、消化の速いものばかりを食べていれば消化器官は確実に弱体化していくことになるのです。
パンや麺は「軽食」といわれますが、喫茶店などでお茶するついでに食べるもの。小腹を満たすためのもの。そうしたイメージがありますが、軽食と呼ばれる理由は、
”分解速度の速さ”にあるのです。
パンも麺も粉状に挽かれているので、消化が速い。すばやく消化され、そのまま血液に送られエネルギーになる。こうした特徴があるのです。
パンや麺から私たちが主に摂取するのは「デンプン」です。小麦や蕎麦などに含まれるデンプンをエネルギーに変える、そのために食べるわけです。
体に入ったデンプンは、胃で咀嚼されデンプン分解酵素が働いて、ブドウ糖に分解されます。
ブドウ糖とは顕微鏡でみるとブドウのような形をしていることから名づけられた糖なのですが、これが私たちの日々の活動のエネルギー源になっているわけです。
ブドウ糖と私たちの関係を例えれば、
私たちは車・ブドウ糖はガソリン。飛行機でいえば機体と燃料。
このようになるのです。
私たちが呼吸をし、体温を維持し、筋肉を動かし、内臓を働かせることができるのはブドウ糖があるおかげ。
特に脳のエネルギー源は「ブドウ糖」一色。他のものはほぼ使われません。脳を使ってモノを考えたり、体の各機関に指令を出したりできるのはこのブドウ糖が血液の中にあり、絶えず脳へと供給されているからというわけです。
最近は炭水化物ダイエットというものがありますが、糖分を摂取しないことで、ダイエットを実現しようというものになるのです。
「確実に痩せられる!」
といった評判がある一方、”頭がボーとしてしまう”。こうした声もよく聞きます。
それは糖分、ブドウ糖が不足して脳がエネルギー切れを起こしている状態、そう思えば良いのです。
■急上昇と急降下
パンや麺は粒の状態から粉状に挽かれているので、とにかく早い。食べたら即ブドウ糖に変えられすぐに血中に大量に送られる。
体内での血糖値が急上昇するのです。
血糖値の管理をしているのが「インスリン」と呼ばれるものですが、インスリンは常に急激を嫌う。消化の速いパンや麺を食べれば血糖値が急上昇する。するとインスリンは、
「異常事態!」
と判断してしまうのです。
それは火事と消化の関係に似ていて、火が出たら必死に消そうとします。インスリンも同じで血液中に大量のブドウ糖が送り込まれれば何とか処理をしようと躍起になる。
急激に上がった血糖値を全力で下げようとするわけです。
その下げ方は案外乱暴で、各器官に”丸投げ”。血液を通して、脳や筋肉、内臓などに大量のブドウ糖を送り込み、血液中の糖分を体に使わせようとするわけです。
でも、体の各機関だって使う量には限度がある。
「あまり大量に送られても!」
そう思ってはみるものの、無理やり送り込まれてしまえば仕方がない。こうして使う分以上のブドウ糖を受け入れてしまうのです。
もちろん全部は一度に使えないので、皮下や内臓に脂肪としてしまっておく。余った食材を冷蔵庫に保存するのと同じです。
これが内臓脂肪・皮下脂肪の蓄積のメカニズムというわけです。
■糖尿病の予備軍へ
こうして血糖値の番人・インスリンは急激な上昇を荒っぽい手段で処理して一件落着となるのです。
やれやれ血糖値はようやく下がった。ここらでちょっと一服・・・。そんな感じで休憩を入れたいところなのですが、そうはいかない。
無理やり下げたため、今度は血液中のブドウ糖が不足してしまう。これによりまたお腹が空き始めてしまうのです。
そうなると血糖値を再び上昇させる必要があります。またパンや麺、またはお菓子などの軽食・間食類についつい手が伸びてしまう。
こうして再び、胃腸で素早くブドウ糖に変換されて血液中に大量に放出される。するとインスリンはまた異常事態と判断して、体の各機関にブドウ糖を必要以上に送り込んで丸投げをする。
内臓脂肪・皮下脂肪がドンドン蓄積されてしまう、このような悪循環を辿ってしまうのです。
消化が速いことは血糖値の急上昇・急降下といったジェットコースターのような動きを生み出してしまいます。メタボはもちろんのこと、糖尿病の予備軍にどんどん近づいてしまう。
消化の速いものにはリスクがあるというわけです。
■加工度の高さも問題!
また、パンや麺は粉状に挽かれていて半分加工されたような状態になっています。これは消化器官が行う活動を奪ってしまっていることと同じです。
胃も腸も筋肉でできているわけだから、必要な負荷をかけないと退化していく。半加工品なので、胃や腸も素早く処理ができ、デンプンをブドウ糖に変えていく。
使わない脳や使わない筋肉が退化していくのと同じで、パンや麺などの負荷の軽い食材ばかりを選べば、消化器官も弱体化の一途を辿ってしまうわけなのです。
パンや麺などを多く食べることは、糖尿病やアレルギー、そして胃弱などの原因になってしまうのです。
■日本人の主食はお米!
健康で快適な毎日を送りたい私たちが為すべきことは、消化吸収の速い食材をできるだけ避けること。
そこでぜひ活用したいのが主食の「お米」になるのです。
私たちの「食であるお米は、粉状に挽かれていないので粒のまんま。素早くブドウ糖に変換することが難しいわけなのです。しかもお米のデンプンは「難消化性」といわれるように、簡単には分解吸収できない特徴がある。
粒状でしかも難分解性のお米が来たら胃や腸も、
「これは本気を出さなきゃな」
そんな感じで難消化性のデンプンをブドウ糖に変えようと必死になる。表皮からゆっくり分解していき、皮を一枚一枚ゆっくりめくるように、ちょっとずつ時間をかけてブドウ糖に変えていく。
パンや麺のように大量に短時間で分解できないので、血糖値の上昇も緩やかになり、急上昇するようなことは起こりにくいのです。
時間をかけてブドウ糖が血液に送られるので、効果は長持ち。パンや麺が腹もちが悪いのに対して、お米は腹持ちが良い。
お米をたくさん食べることでおやつにも手が出にくくなるので経済的。胃腸を鍛え、血糖値の急激な上昇を抑え、しかもおやつなどの出費を抑えられる。
お米をしっかり食べることはこうしたことに繋がっていくわけです。
■燃費の良さに着目!
パンや麺などは腹持ちが悪いのですが、それはあくまでお米と比べた場合のことです。
お菓子やジュースなどでよく使われる「ブドウ糖果糖液」などはブドウ糖とそのものなので胃や腸を働かせることなく、体に入ればそのまま血液に大量に送られてしまいます。
インスリンがパンや麺以上に、
「異常事態!」
と判断するため、急激に下げようとするので体内脂肪が蓄積される。そして血糖値を再び上げようとまたしても甘いものへと手が伸びる。
こうしたキケンな循環の引き金を弾いてしまいます。
ブドウ糖果糖液のみならず、そうしたお菓子やジュースにはその他さまざまな人工の化学物質が含まれ原料には農薬がたっぷり使われているので、避ける必要がある。
主食のお米をしっかりたべることがこうした悪循環を断つ、最高の解決策となるのです。
私たちは車や電化製品などの燃費に対しては厳しい視線を送ります。その反面、食べものの燃費については警戒がかなり甘い。燃料効率の悪い選択をしているのが現代食の特徴といえるでしょう。
パン食や麺食は食のバラエティとして楽しむ程度にする。あくまでメインは主食のお米。
ぜひ主食のお米の安全を確保し、お米を軸に食生活を立て直す。こうした取り組みを始めてみてはいかがでしょうか?
無農薬のお米を高い!と感じる人もいるでしょうが、パンや麺をちょこちょこ買うよりはずっとエネルギー効率が良く経済的で、しかも健康です。
コンビニのサンドイッチだって最低でも200円くらいはするわけだから、無農薬のお米をしっかり食べることは他とは比べものにならないほど遥かに経済的なのです。
■優先順位を確立する!
食卓に上るすべての食材を無農薬や無添加のものにすることは現状では難しいことなのかもしれません。
そうであるなら、最も重要な幹に当たる安全なお米・肥料も農薬の一切使わない自然栽培米や無農薬米の確保をまずは一番にする。
そして第二に優先するべきは、天然の発酵菌で熟成された「味噌」。長期熟成され、高温処理をされていない生味噌はビタミンや有機酸、酵素などの宝庫です。
高額で人工の化学物質をたくさん含んだサプリメントにお金を使うくらいなら本物の味噌を毎日摂ることの方が遥かに健康で経済的です。
残念なことではありますが、最近は有機野菜や自然食の宅配団体でも自然派サプリメントなども高額で売られています。
でもそれらは本来食材ではなく、薬剤に属するもの。ドラッグストアで売られるべきものなのです。
本物の味噌汁を日々体に補給する、その方をぜひ選んでほしいと思います。
もちろん味噌汁ばかりではなく、時には生で食べることも大切。味噌に含まれるビタミンや酵素は熱に弱いので生でも食べてみることもバラエティの1つとして取り入れてもらいたいと思います。
そして優先順位の三番目に来るのが野菜です。肥料も農薬も使わない自然栽培の野菜はいまだ量も品目のバラエティーを確保もまだまだ難しいのが現状です。
野菜についてはできる範囲で投資する程度で良いでしょう。
何よりもまずお米と味噌を確保することから、安全な食卓づくりの第一歩を今日から始めましょう!
長い講座になりましたが以上で終わりです。
ぜひ本章を参考して、健康で自然な食卓づくりの一助にしてもらえればと思います。
※無肥料無農薬の自然栽培米と天然発酵菌の調味料が買える店リスト
(完)
前章へ:有機米・無農薬米でも安全ではない?ハードなお米の実情は!?
■この章のまとめ
・パンや麺は消化が速く血糖値を急激に上昇させやすい ・血糖値の上昇は体内脂肪を増やしてしまう ・消化が速ければまた血糖値を上げる必要に迫られる ・米のデンプンは難分解性といわれる ・燃費や経済性を考えるなら断然お米を食べるべき |