自然食業界キャリア15年のOBが綴る

菌はバイ菌・百害あって一利なし?殺菌・抗菌が招く生命力の低下とは!?

2018/12/16
 
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生協、有機野菜の宅配団体などに15年在籍し、自然食業界の裏表を目の当たりに。本当に安全に食べられる食材とは何か?日々追求しています。

誤解と理解は紙一重、そんなことが言われたりもしますが、私たちは実態を離れて何かを不当に評価してしまうケースもあるようです。

今回はその最たるもの、「菌」についての誤解の話です。

■目次
1、菌への誤解とは!?
2、総重量は1.5キロ・数々の恩恵とは!?
3、健康にも美容にも役立つ菌の実際は!?
4、無差別攻撃でこんなデメリットがある!
5、健康は日々の選択!高めるのか?低めるのか?の選択!

菌というと、

 

“バッチィからイヤ!”
“変な病気に感染しそう・・・”
“キズに入らないように消毒しなきゃ”

 

このようにあまり良いイメージはないと思われます。でも私たちと菌との関わりは深く、

 

切っても切れないものがあるのです

 

総重量は1.5キロ!?

味噌・醤油・お酒にパン、チーズ、ヨーグルトなどといった日々の食卓に欠かせない食品群は菌たちの活動によって作られているのです。

 

また食べもののみならず、私たちの体にはカビやバクテリアなど、たくさんの菌たちが住み着いています。

目では確認できませんが、その数100兆~150兆匹

 

総重量では1,5キロにもなるといわれているのです。

 

人の細胞は60兆からできている。そんな風に言われますが、数で言うなら菌の方が断然多い

つまりものすごい数の菌たちと私たちは共存関係を結び暮らしているのです。

 

こう言うと、

 

“エー、気持ち悪い!”

 

そう思われるかもしれませんが、そのことでさまざまな恩恵をもたらしてくれています。彼ら菌たちが私たちの体に住み着くことで、たくさんのメリットを享受しているからです。

バイ菌

 

菌からの贈り物

例えば皮膚に貼り付いて生きる常在菌の総数は約1兆匹と言われます。皮膚1センチ当たりに平均3000匹、場所によっては30万匹ほどの菌たちが集落を形成しているのです。

 

菌の集落は「コロニー」と言われますが、ひしめき合い密集することで隙間を与えない。皮膚にいる菌たちが表面を隙間なく覆ってくれているので、外からの菌はコロニーを作るだけのスペースを確保できません。

 

さらには皮膚に住み着く常在菌たちが特殊な酸を出すことで、外来菌やウィルスなどの繁殖を許さず退治してくれるのです。

 

また皮膚の常在菌がいることで肌に瑞々しい潤いを保つことができる。美容の敵!の乾燥肌を防いだり、異物を食べてくれたりもするのです。

 

健康で潤いのある快適な生活に菌は欠かせないわけなのです。

 

でも、こうしたありがたい菌たちを私たちは不当に評価しています。”汚いもの”呼ばわりをし、目の敵にするようになっている。

 

過剰な衛生主義のもと、菌を殺すことがあたかも素晴らしいことのように宣伝されているのです。

 

”殺菌!抗菌!滅菌!”

 

“バイ菌”なんて言葉に代表されるように、菌は無条件で忌み嫌う対象へと変化していった。菌などは百害あって一利なしで殺されても仕方がない。

 

そのようなヒドイ錯覚で、菌を殺し、その活動を弱めることばかりを懸命に行っているのです。

 

家に帰れば殺菌力の強い化学合成洗剤で手を洗う。そして人工の化学物質が満点に詰まった薬剤で喉の奥までうがいを励行。

 

毎日の入浴においても合成洗剤で頭も体もゴシゴシ洗う。オマケにリンスで最終仕上げと言わんばかりに温度の上がった頭部にまた薬剤を塗り付ける。

 

食器洗いにも、衣服の洗濯にも殺菌力の強い洗剤が使われる。家の中では除菌率の高いスプレーをシュッシュとまき散らす。

 

これらの行為はすべて菌を弱めるのと同時に、私たち自身の生命を弱めてしまうのです。

汚れ

 

無差別攻撃で弱体化

菌を敵視すれば”無差別”にならざるを得ません。

 

人体に悪い影響を与える菌も・良い影響を与える菌も、問答無用で攻撃してしまいます。それは精神衛生上は良いことなのかもしれませんが、トータルで見れば私たちに不利益となって帰ってくる。

 

行き過ぎた殺菌・抗菌主義は、結果として自傷行為にも繋がってしまうものなのです。

 

「キズへの対処」

 

これについても医療の現場で従来のやり方に異論を唱える声も出ています。ケガなどで傷ができたら有無を言わせず消毒薬。バイ菌による化膿を防ぐためにオキシドールなどが使われますが、これへの異論も根強くあるのです。

 

「消毒薬は傷の治癒を遅らせる。消毒薬は細菌ばかりではなく、細胞にもダメージを与える。水で異物を荒い流せば問題なく、薬剤などは一切不要」

 

少数派ではあるものの、こうした見方もあるのです。

 

傷口が膿みグジュグジュする、それにはそうなるだけの理由があります。私たちはその現象をすぐさま”悪!”と判断してしまうのですが、実際はそうではない。

 

その一見膿んで悪いかのように見える中にこそ、早期の治癒を促進するための大切なものが含まれている。

 

グジュグジュしたその中では、菌や血小板、顆粒球などの白血球が懸命に働いている。元の自然な状態に戻すために活動をしているのです。

 

その状態を経ることで傷ついた細胞を治し、新しい細胞が作られていく。化膿したかのようなあのグジュグジュこそが治癒の証、こうした考え方もあるのです。

 

せっかく体が元の自然な状態に戻そうと懸命に処置を施しているのに、そこに消毒薬を塗りつけてしまえば、良いも悪いも無差別に攻撃してしまいます。

 

傷口から体内に入って欲しくない”バイ菌”と呼ばれる菌はもとより、修復に向けて懸命に働く細胞までをも同時に攻撃してしまいます。

 

その結果、キズの完治が遅れてしまう。それは本来私たちに備わっている修復機能を弱めることにも繋がってしまうのです。

傷

 

高めるのか?低めるのか?

菌は私たちの体においても、田畑においても、発酵食品の製造現場においても敵視され続けています。

 

洗濯や入浴では化学合成洗剤が使われ、お米や野菜、果物には農薬の殺菌剤、加工食品には保存料などの食品添加物がたくさん使われています。

 

菌の敵視を続けることは人体にとっての異物、人工の化学物質を蓄積することとイコールである。このリスクも天秤にかける必要があるのです。

 

私たちは菌への見方を変える必要に迫られている、そのようにも感じます。

 

私たちの身体には本来、危険に対する防御システムが備っています。出血多量の事故などで体全体の血液が不足状態に陥れば、体はすぐさま皮膚の血管を収縮させるのです。

 

皮膚に送る血液を絞ることで、より重要な脳や臓器に優先して血液を送り込む。そして体の各所から傷口に向けて血小板が馳せ参じ、これ以上の出血を防ごうと懸命な処置を施すわけなのです。

 

私たちの体にはこうした素晴らしい危険回避のシステムが備わっている。

 

その素晴らしい力を高めていくのか?それとも自らの手で低めてしまうのか?

 

問題はその選択にあるのだろうと思います。

 

農薬や添加物満点の食べものを食べたり、少々のケガや病気でスグにクスリに頼ったり、菌を敵視して常在菌の活動を弱めたり。

 

それらは生命本来の力をを弱めることに繋がっていきます。

 

今回は菌について考えてみました。

 

■この章のまとめ

・私たちと菌は共栄共存の関係

・皮膚常在菌は外敵を防ぎに美肌効果に貢献

・殺菌すれば良い菌も無差別に殺してしまう

・傷への消毒は治癒を遅らせる結果になるリスクも

・生活環境を整えて生命力あふれる力強い人生を実現

 

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■参考文献
創傷に消毒液は絶対使わない
除菌・消臭・ダニ対策への正しい使い方
間違いだらけの家庭医学

■参考文献
副作用―その薬が危ない』 祥伝社新書 大和田 潔 著
人体常在菌のはなし ―美人は菌でつくられる』   集英社新書 青木 皐 著
『菌の常識 人間の非常識』 平凡社新書 井上 眞由美 著

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