グルテンフリー・小麦を食べるな!は極端で排除の論法!?

グルテンフリーが注目されています。でも特定の1つの食材だけをヤリ玉に挙げる姿勢はどうなのか?パンや麺を食べることに罪悪感を感じない!今回は日本人の自然な食べ方について考えてみます。
■目次
1、小麦は悪者!?グルテンフリー食とは!?
2、グルテンは異物で体に本当に毒なのか?
3、小麦ばかりをなぜ責める?現代食の危うさは!?
4、昔と今ではこう違う!糖尿病と小麦の関係は?
5、罪悪感なしで美味しく小麦と付き合うために
6、無農薬米でもこのポイントだけには注意をして!
グルテンフリー。
ダイエットは有名ですが、病気治癒の切り札になる!そんな扱いで静かな人気があるようです。
グルテンとは小麦に含まれるタンパク質のこと。グルテニンとグルジアンといわれる物質が絡み合ったものと説明されます。
このグルテンが肥満を引き起こし、糖尿病やむくみ、アレルギー、各種炎症などをひきおこしてしまう。だから、
“小麦を食べるな!”
こんなことが盛んに言われているようなのです。
■グルテンは異物で毒なの!?
小麦のグルテンを人は消化する酵素を持ち合わせていない。だからグルテン由来の未消化のタンパク質が体内に残留してしまう。
体はグルテンを”敵!”、”異物!”と判断するため、攻撃部隊である活性酸素の量が小麦を食べるごとに増加していく。
活性酸素は体内に入ってくる毒や菌などの異物を攻撃してくれるありがたい物質なのですが、それが増え過ぎてしまうと力が余って、正常な細胞にまで攻撃を加えてしまう。
特に腸への攻撃は厄介で、活性酸素が腸壁を攻撃するあまり本来腸の中に入ってはならない菌などが壊れた腸壁から侵入してしまう。そして血液を媒介として全身に毒素が回ってしまう。その結果として全身に炎症が回ってしまう。
皮膚炎省のアトピー、脳内炎症のうつ病、こうした炎症体質となってしまうことをグルテンによる、
「リーキーガット(腸の穴)」
と呼ばれているそうなのです。
諸悪の根源は、パンや麺などの小麦製品にあり・・・。それがグルテンフリーと呼ばれているそうなのです。
■小麦ばかりをなぜ責める!?
でも、
消化吸収のための体内酵素がないのは、人工の化学物質も同じ。体内に人工の化学物質を分解するための消化酵素などはありません。
人工の化学物質は人体にとっては異物なので、食品添加物や化学合成農薬などが体内に侵入すれば、体はそれを
“毒!”
と判断します。
当然、攻撃部隊である活性酸素は過剰に傾き、腸をはじめ正常な細胞を攻撃していく。いわゆるリーキーガット・腸の穴と同じような経過を辿るわけです。
何も小麦だけをヤリ玉に挙げる必要はないのでは?と素朴に感じます。
“小麦のグルテンが悪い!”
そう声高に叫び回るのではなく、食品全般に使われている人工の化学物質にも、もっと警鐘を鳴らすべきではないのか?そのようにも感じます。
また同じ小麦でも、農薬を多投して栽培された小麦と無農薬で栽培された小麦、それらを同じ小麦として断罪してしまって良いものなのかどうか?
そばアレルギーや小麦アレルギーの方でも無農薬のものならアレルギー反応が出ない、そうしたケースだって少なくないからです。
■糖尿病の原因というのなら!
また、小麦は砂糖よりも高血糖だから
“摂らないように!”
こんな風にも言われています。
今の小麦は昔の小麦とは違うもの。品種改良が進み、糖度の高い作物に作り変えられている。高血糖の小麦を使ったパンやラーメン、パスタなどを常食すれば血糖値は急上昇し、インスリンがその都度大量分泌される。
内臓脂肪が溜め込まれ、糖尿病の直接的な原因となってしまう。さらに動脈硬化、心臓疾患、白内障などの大きなトラブルを引き起こしていく。
こうしたことから、
「小麦を食べるな!」
と大きな声で言われたりもするのです。
でも、それを言うならお菓子などに頻繁に使われる人工甘味料や果糖ブドウ液糖の害の方がより深刻でしょう。
人工的に糖が最小単位のブドウ糖にまで加工されているので、体内に入れば即座に腸から血中に大量放出され、インシュリンの大量分泌を招きます。
果糖ブドウ液糖などは廉価なジュースやお菓子類、加工度の高い食費などにかなり広く使われているので、より慎重に成分表示をチェックするべきだろうと思います。
(※参考:『食の安全を実現のための財布に優しい優先順位投資法!』)
■罪悪感なしで食を楽しむ!
小麦の品種改良の問題はあるのでしょうが、小麦製品は基本的に「粉」にされた状態でパンや麺に使われます。
胃や腸の消化器官からしてみれば、胃に入った段階で半ば処理が終わっている。果糖ブドウ液糖ほどではないにせよ、粉状なのでスピーディーに腸に送られ、ブドウ糖に分解され血中に大量放出される。
確かに小麦製品を常食することは糖尿病の一因になるのだろうと思います。
でも、私たち日本人の主食はあくまで「米」。パンや麺の位置づけはあくまでもサブであり、食卓のバラエティの1つと位置づければ良いのではないかと感じます。
お米は小麦と違い、「粒」のままの状態で胃に送られます。お米のデンプン(糖質)は「難消化性」といわれるように、消化器官からしてみれば手強い相手となるわけです。
粒をじっくりゆっくり分解していくので、消化吸収に時間がかかる。最小単位のブドウ糖に分解されるまでには粉食よりも圧倒的に時間がかかるので、少量ずつ長い時間をかけて血液中に糖分が送られる。
インシュリンの分泌も緩やかで血糖値の急上昇が起きにくい食材、それが私たちの主食「お米」なのです。特に冷えたご飯はさらに分解が難しくなるのでお弁当などは最適。昼食は外食ではなく、お弁当を持参するのがオススメです。
”小麦製品を食べるな!”と言われてしまうと、たまの楽しみであるパンや麺を食べることに罪悪感を覚えてしまう。それは本来の食べ方ではないと思います。
お米をメインに食生活を組み立て直せば、たまにパンやパスタやラーメンを食べることくらい大きな影響はない。主食のお米をきちんと選び、食べること。そしてたまの楽しみの1つとして小麦製品も味わう。
”幹と枝”をしっかり区別した食生活にすることが大切だろうと思います。
もちろん主食のお米は無農薬のものを選ぶのは言うまでもありません。農薬は体にとって異物以外の何者でもないので、食べる量の多いお米だけは無農薬を選ぶ。
このことが大切であろうと思います。
■無農薬米でもココには注意!
但し、最近のお米は甘みやモチモチ感を重視した品種ばかりとなっているのが現状です。
以前の小麦と今の小麦が違うのと同じで、今のお米も昔のお米とは違うものになり果てているのです。
(※参考:有機米・無農薬米でも安全ではない?ハードなお米の実情は!?)
甘みの強い・モチ米の要素を含んだコシヒカリやひとめぼれ、ミルキークイーンなどのお米を選ぶのではなく、ササニシキやササシグレ、旭などのウルチ系のお米を選ぶことが大切です。
以下から購入できるので、興味がある方は参考にしてもらえればと思います。
■このページのまとめ
・アンチ小麦のグルテンフリーは極端な発想 ・小麦ばかりが悪いのではない!農薬や食品添加物にも要注意! ・小麦の高血糖を言うのなら人工甘味料やブドウ糖果糖液糖にも警戒を! ・難消化性のお米を軸に食生活を立て直す。パンや麺はサブでバラエティとして楽しむ ・お米の品種には要注意!甘くてふっくらのお米ではなくあっさりタイプのお米を選ぶこと |
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