愛と意志との連合が未来を切り拓く!

様々な場面で関係性の再構築が叫ばれています。人と人との関わり方や肥料農薬漬けの私たちの大切な食糧のあり方。ココでは生命同士の交流をいかに図れば良いのか?フィクション・ノンフィクションの世界を例に考えてみます。
■目次
1、感情と理屈の原則は!?
2、作物への愛が導いた奇跡!
3、シンデレラに学ぶ愛と意志の結合
4、新たな愛と意志の連合の実現に必要なのは?
感情的になると、
人間関係にヒビが入りやすい。
だからなるべく自分の感情をコントロールすることが大切。特に会社で上司の立場にある人は感情に任せて怒鳴り散らすような振舞いは慎まなくてはならない。部下の行動を改めさせたいなら、
怒るのではなく「叱る」こと。
感情を支配下に置き、原因に焦点を当てるのではなく、得たい結果だけを見つめて行動をすること。
このことが重要になると言われるのです。
でも、“人は感情の動物”といわれるように、言うは易しで行うは難しのことがらでもある。最初に「感情」で反応して、その後「論理」で正当化する、そうした生きものであるからです。
どれだけ落ち着いて冷静に振る舞っているつもりでも、その裏に怒りが籠っていれば敏感に察知されてしまう。
言葉は10%程度しか意味を伝えないというように、残りの9割は表情や身振り、声のトーンなどに表れてしまう。つまり意志疎通とは、言語よりも非言語の領域の方が圧倒的に比重が高いというわけです。
そこで今回は「真の意志疎通とは何か?」について考えてみたいと思います。
■作物への愛が奇跡を!
農業は生命産業、そんなことが言われます。
車や工業製品のような人工物ではなく、大自然を相手にそこに育む生命と向き合う仕事が農業。生命あるものとのコミュニケーションを通じて、作物が快適に元気に育ちやすい環境を耕作者が準備してあげること。
特に肥料も農薬も一切使わない自然栽培においては作物との交流は大切。作物に足音を聞かせてあげ、日々声かけを欠かさない。
このことが大切になるといわれるのです。
有名なのは「奇跡のリンゴ」の作り手の木村秋則さん。これまで散々に肥料・農薬漬けにしてしまったリンゴの木1本1本に謝って回ったそうです。
”間違ったやり方をして苦しめてしまった。頼むから生き残ってくれ”
そんな思いを込めて声かけを欠かさなかったと話します。隣の畑に隣接したリンゴの木にはあまり声かけをしなかったそうです。隣家の人にその姿を見られたら、
”ついに木村は気が触れた!”
そう思われてしまうからです。
そんなことを繰り返し自然栽培7年目の春についに花が咲いた。春に花が咲くことの意味は秋に実がつくことを意味する。
でも、あまり声掛けをしなかったリンゴの木は枯れてしまったそうなのです。無肥料無農薬での栽培は耕作者と作物との交流がいかに大切か?を物語るエピソードとして語り継がれているのです。
アメリカ南西部のインディアン・ホピ族の伝統は本当の肥料は窒素・リン酸・カリなどの栄養素ではなく、作物に対する「人間の愛」。
作物に笛を吹いてあげることが最大の肥料、その姿をキャラクター化したのが「ココペリ」というわけです。
■シンデレラに学ぶ愛と意志
他者への愛。
その重要性が叫ばれている現代。自己責任、勝ち組・負け組といったようにともすれば自分さえ良ければそれで良い、そうした風潮が社会の潮流になっているようにも感じます。
自分のことだけで精いっぱい、他者に心を傾ける余裕なんてどこにもない。そうした状況に各個人が追い込まれているようにも感じるのです。
そしてそのことの帰結として生じる陰惨な事件などが伝えられるたびに、他者への愛、喪われた関係性の再構築、こうしたものの重要性が繰り返し語られているのです。
他者を何ものにも代え難い大切な存在として認め尊重すること。それを仮に「愛」だとする。でも、本当に「愛」だけで充分なのだろうか?
そんな風にも感じてしまうのです。
シンデレラのストーリーは世界中で愛され続けているのですが、シンデレラが物語で象徴するのは「愛」。でも、愛だけでは困難を乗り越えられないことを物語っているのです。
シンデレラの愛に加えて、王子様が持つ「意志」の力が必要。愛と意志とが結合し、団結することで困難を克服し、登場人物は成長していく。
愛は必要だけどそれだけでは不充分、人の成し遂げようとする強い「意志」も併せて必要になるというわけです。
「英語で話してしまえば英語を話す人にしか伝わらなくなってしまう」
そうした強い意志でチャップリンはトーキー、無声映画を作り続けました。言葉にした瞬間に自分の思いは伝わらなくなってしまう。表現は高い壁になってしまうケースだってある。
このことを踏まえ強い意志を持ち、笑いと愛情溢れる名作を作り続けたわけです。真のコミュニケーションとは何であるか?その一端を物語っているようにも感じます。
■新たな愛と意志の連合を!
「意志」はややもすれば妥協の余地のない頑迷な自己主張にも陥りやすい。そうだとすれば、意志で大切なのは周りの人や自然界、それらとマッチ、調和しているのかどうか?
他者を思いやる気持ち、愛に満ちたものなのかどうか?そこに愛と意志との連合における「調和点」があるようにも思うのです。
さまざまな課題が山積する中、私たち人類の愛と意志の連合が問われている。
“モノの時代からココロの時代へ”
その際のヒントは自然界にある。そうしたスタンスで、これからもこのブログで考えていきたいと思います。
今回は、意志疎通や自分と周囲との関係について考えてみました。
■このページのまとめ
・人は感情に反応しその後論理で正当化する ・原因ではなく得たい結果に焦点を絞ることが大切 ・作物を育てるのは人の愛や生命の交流にある ・乱れた社会の関係を再構築するには愛と意志の連合が必要 ・より自然と調和した世界の実現が人類的課題になっている |
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