自然栽培と除草・雑草はホントに邪魔者なの!?

草とどう向き合うか?
これは肥料も農薬も使わない自然栽培の重要なポイント。草のとらえ方次第で、栽培の結果が大きく変わってしまうものだからです。
通常、農業においては草は邪魔なもの。害虫・病原菌と並んで、草は作物の成長を妨げるものと考えられているのです。
だから除草剤を使って草を根こそぎ枯らしてしまう。また、よく管理された畑は
“草一本ない”
これが美徳とされているので、徹底して草を退治してしまう。こうしたことが横行しているわけなのです。
肥料も農薬も一切使わない自然栽培は、人の美意識やお偉い学者先生が言ったことを規範にする農法ではありません。
自然栽培という以上はそのお手本は自然界。自然に学び学んだことを田畑で実行する、このことを徹底して行う農法といえるのです。
自然の野山を眺めれば、草が覆っていない場所などほとんどありません。砂漠などの乾燥地帯では草はありませんが、日本のような温暖湿潤土地柄では表土は草で覆われている。
造成地でもない限り、土がむき出しになっているような場所などまずないのです。
多様な草々が表土を覆っているのが自然な状態。だから自然栽培では決して草を敵視しない。草のさまざまな効用を考えて、必要に応じて手入れを行う。
このことが栽培成功のポイントになるのです。
草を敵視し、根こそぎ取ったり、枯らしたりしてしまうからこそ土の中の有機物が不足する。よって肥料がどうしても必要になる。
自然の土は植物の残骸、地中の根が朽ちたものからできているので、草を抜くことは”反自然な行為”になってしまうのです。
人が余計な手出しをするあまり肥料・農薬を駆使せざるを得なくなる。このような悪循環となってしまうのです。
(※土の中には地クモの巣が!)
草があることで、土が作られ、そこにさまざまな虫や土壌菌の住まいとなる。草が保水・排水の効果を果たし、水持ちがよく水はけの良い栽培環境を作り出すことができる。
モグラが作物を荒らすと言われますが、モグラが土の中を這いまわることで土中の通気性が良くなり、土の性能が引き上がっていく。
自然栽培においては、日照や初期成育の段階では草にどいてもらうことはあれど、根っこまで抜かない。草の効用を考えることも栽培成功には欠かせない事がらになるのです。
(※モグラ穴が通気性を高める)
私たちを含めた生き物は、その環境で生き残るために必要な全ての知恵を備えている。生命の本質は弱くて脆いものではなく、強くてしぶといもの。
“何かが良い!”、”何かに効く!”
そう善悪で判断するのではなく、
「自然か不自然か?」
こう心に問うことも大切なのではなかろうか。肥料も農薬も使わない自然栽培から学べる事がらです。
(※草の中で育つ我が家のスイカ)
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