自然食業界キャリア15年のOBが綴る

無肥料・無農薬自然栽培に学ぶ無理のない順番とは?生命力を最大化する仕組みに迫る!

2018/11/04
 
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生協、有機野菜の宅配団体などに15年在籍し、自然食業界の裏表を目の当たりに。本当に安全に食べられる食材とは何か?日々追求しています。

モノゴトには順序がある。春の後には夏が来て秋になるもの。冬の後にいきなり夏はやって来ないのです。順序を違え早めた結果、私たちの食が歪められてしまう。ココではそのことについてお伝えします。

■目次
1、各国の農薬使用量は!?
2、使う・使わないの違いはどこに!?
3、生命は自ら育つもの・手出し無用の栽培方法!
4、栽培初年度に訪れる最初のハードルの実態とは!?
5、生きるための努力を怠らない!生きものの本質とは何か!?

 

農薬の使用量。

 

日本は世界で2番目の国と言われています。

1位はどこかというと、お隣の「韓国」。極東の2つの国が他国を圧倒している。こうしたデータがあるのです。

 

”アメリカじゃないの?”

 

そう思われるかもしれませんが、使用量で言えばアメリカなのでしょう。でも単位面積あたりに撒かれる農薬の量は、ダントツで韓国と日本が多いわけです。

 

中国もきっと多いのでしょうが、国土が広すぎる影響もあってか、こうしたデータがないようなのです。きちんと測定すれば1・2・3位は極東の国々で占められるのではないか?

 

そんな危惧を持つわけです。

 

アメリカは世界有数の農業国ですが、栽培品目は小麦や大豆、トウモロコシなどに偏っている。それらのものはそこまでたくさんの農薬を必要としない品種でもあるのです。

 

比較的温暖な国土で米も野菜も果樹もと多品種栽培を行う、日本や韓国の農業は農薬多投型にならざるを得ない。そのように説明されるのです。

我が国

 

土への理解が決め手!

日本は農薬使用大国。

 

でも詳しく見てみると、栽培の担い手を2つのタイプに分けることができます。

 

最初のタイプは農薬を使い続けなければならない人。

 

有機、減農薬、低農薬、一般栽培と言い方はさまざまあるにせよ、結局はいつまでも農薬とお別れできないタイプの担い手です。

 

有機栽培農家の場合は虫や病原菌の発生の際には、木酢液や竹酢液、ニームなどの漢方系農薬を使います。化学合成された農薬を使わないようにと栽培するのですが、結局のところ虫や病原菌の蔓延をいつまでも克服できないわけなのです。

 

もう1つのタイプはというと、農薬とは全く無縁な担い手です。化学合成農薬も漢方系農薬も一切使わずに、無農薬栽培を当たり前にしている生産者です。

 

農家と一口に読んでしまいますが、実際はこの2種類の生産者がいる。農薬を使う者と一切使わない者。その大きな運命の別れ道は一体どこにあるのでしょうか?

 

違いを端的にズバリ!いえば、「土」

 

土をどのように考えているか?そこが運命の分かれ道になります。土をどのように理解しているか?そこに決定的な違いが生じてしまうものなのです。

 

農薬が使われる理由は!?

有機を含めた一般の農家は、

 

「土は根っこを支えるだけのもの」

 

このように考えています。

 

土に作物を育むだけの養分はない。だから肥料を与えて栄養分を添加しなくてはならない。有機農業においては単位面積(300坪)当たり何トン、何十トンもの糞尿肥料が投入されることも珍しくありませんが、それは土に養分がないと考えているから。

 

もう一方の生産者はというと、

 

土は養分のカタマリで土そのものが「肥料」である

 

人が余計な手出しをすることなく、自然な状態の土を作ればその力を最大限に引き出すことができる。だから化学肥料も有機肥料も、一切使う必要がない。土を自然な状態に近づけ、そこから進化させていく

 

無農薬で栽培できる理由はココにあり!というわけです。

 

土そのものが肥料なので、新たに肥料を与える必要はない。それどころか、有機・化学、どちらの肥料であっても使えばその害悪は計り知れないものになる。

 

このことをよく知っているのです。農薬を使うのも、虫や病原菌に食い荒らされるのも、腐敗しやすい作物ができるのも、原因は肥料にあると考えているのです。

 

自然の土には無尽蔵の養分がある。そして作物は自らの成長に必要な養分を自らの力で取り込む力が備わっている。

人が上げ膳・据え膳で何かをしなくても、作物は自分で立派に成長できるわけなのです。

 

もし土に養分がなかったり、自分で育つことができないのならば植物などは太古の昔にとっくに滅んでいたはずなのです。科学技術が今後どのように発達しようにも、地球上に生きるすべての植物に人が肥料を施すことなどできません。

 

土に栄養のカタマリを添加しなくても、人が色々とお世話を焼かなくてもきちんと立派に成長でき、未来永劫にわたってそれを繰り返すことができるものでもあるのです。

 

肥料を土に投入すれば、虫や病原菌の温床になってしまいます。生きものの原理原則は不足には強く・過剰には弱い。

 

農薬のお世話にならざるを得ない生産者は作物に対して不要で過剰な行いをしているからと言えるのです。
(※参考:『有機栽培は体にも環境にも優しい農法か?土の自然と安全な野菜の姿に迫る!』)

野菜づくり

 

不安に心が覆われる!?

農薬をたくさん使う大きな理由は肥料ある、そのことはでは理解できた。

 

でも、肥料も農薬も一切使わない自然栽培に取り組み始める生産者は、いきなり厳しい状況に追い込まれてしまうのです。

 

たとえば最初に自然栽培の米づくりを行うと、苗を植えてからしばらくの間はひどく弱々しく貧弱に見えてしまうものです。

 

隣の田んぼの稲は背丈もグングン伸びて青々としている。にも関わらず、自然栽培の稲はどこからどう見ても貧弱そのもの。丈は伸びないし、色も黄緑でほとんど成長していない。

 

心配でたまらない!

 

そうした状況を目の当たりにするのです。

 

”収穫がゼロだったらどうしよう、農機具のローンも払えなくなる・・・”

 

心配と不安で居ても立っても居られなくなってしまうのです。1日待てども生育しない。1週間経っても変わらない。

 

このままでは無収穫で無収入だ!

 

こうして我慢の限界を迎え、禁断の肥料に手を染めてしまうケースも少なくないのです。この時期を我慢でき乗り越えられるかどうか?それが最初の壁となり、大きな関門になるのです。

不安

 

自然栽培の稲は田植えからしばらくの間は、実に弱々しくみすぼらしい姿になります。でもこれにはこうなるだけの理由があります。

 

実は地上部分は貧弱でも、地下では着実に成長に向けた準備を着々と整えている。有機や一般栽培の稲が青々とグングン伸びる間に、「根」を地中深くまで張り巡らせている。

 

根を縦横無尽に伸ばすことで自らの成長に必要な養分をどこまでも探し出そうとしている姿なのです。

 

肥料を入れると地上部分はあっという間に大きくなります。葉を茂らせ丈を伸ばす一方で、「根っこ」の充実は疎かで貧弱なものになってしまうのです。

 

人間に例えれば上半身ばかりが大きく成長し、下半身が頗る弱い。そうしたアンバランスな状態になってしまうのです。

 

足腰が弱いから大風が吹くとバタバタ倒れてしまいます。肥料と農薬で甘やかされているので、下はヒョロヒョロで、虫・病原菌に対する抵抗力も弱くなる。

 

こうした負の循環に陥ってしまうのです。

窒素過多

 

健全な植物の成長は、「根の充実」が先にありきのもの。まずは自分の成長に必要な養分を確保するためのルートを整備し、それを確立させた後で地上部分の芽を伸ばしていくのです。

 

順番はあくまで「根」が先であって、「芽」はその後。このような順序で成長していくわけなのです。

 

新たな根が出現!

根の充実は整備された。その後はじめて芽の充実に向かっていく。

 

初期の成育、芽の成長は遅くとも、夏を迎える頃にはグングンと成長は活性化し、肥料を入れた稲にも見劣りしない立派な姿に様変わりしていく。

 

こうして背丈も茎も穂も充実してくるというわけです。アリとキリギリス、ウサギとカメの話のような展開を辿るのです。

 

自然栽培米農家の石山範夫さんは、この栽培を始めてから、これまで見たことのなかった六本目の根っこが出たと話します。

 

肥料を与えられない分、使うことのなかった根っこ動員してまで養分を探している証拠と話すのです。この話からも、土は単に根を支えるだけのものではないことが分かるのではないでしょうか。

 

土と同じで、人の体も本来は完全です。人体について学べば学ぶほど、知れば知るほど、その精巧で巧妙な作りの見事さに驚嘆せざるを得ないのです。

 

土にしろ、作物にしろ、私たちの体にしろ、問題は本来備わった能力を高めていくのか、それとも自ら低めてしまうのか、ここに尽きるのではないか?

 

生命本来のあり方と姿を肥料も農薬も一切使わない自然栽培が教えてくれているように感じます。

 

無農薬で作れるかどうかは、「土」への理解が運命の分かれ道となるのですね。ぜひ生命力あふれる無肥料無農薬・自然栽培のお米や野菜を味見してみてくださいね。

 

■自然栽培のお米や野菜の通販リスト

 

■このページのまとめ

・単位面積当たりの農薬使用量は1位韓国・2位日本

・有機も含めた現代農業は土に養分はないと考える

・自然栽培における土は肥料のカタマリで完全栄養

・肥料が虫や菌を呼び農薬を使わざるを得なくする

・作物の成長は根が先で芽は後になるのが自然の順序

・作物は生きるための養分を地中どこまでも探し出す

・生命の力を高めるのか?低めるのか?の選択が大切

 

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