自然治癒力発動のメカニズム・症状と回復までの工程は!?

病気発生から治癒までのプロセス。現代は”おクスリ万能主義”なので、あまり真面目に語られることがありません。ココでは病気やケガなどを自然治癒力に委ねるとどのような変遷で回復するのか?そのことについて考えてみます。
■目次
1、病気の治癒はどう訪れる!?
2、痛みや炎症を積極的に捉える!?
3、治癒に欠かせない血管拡張物質とは何か!?
4、治癒実現に向けた厄介な副産物の実情とは?
5、冷却処置は本当に正しいのか?体の反応は!?
6、出血を伴う事態にはこの物質が馳せ参じる!
7、完全か・不完全なのか?私たちは脆く壊れやすいのか!?
痛みなくして得るものなし。
ノーペインノーゲイン、そんな風に言われます。
人生を変える貴重な体験、運命的な出会いなどは苦境や逆境の際に培われるもの。痛さや苦しさを回避してばかりいれば成長や発展の芽を摘んでしまうことに繋がってしまう。
カワイイ子には旅をさせよ。艱難辛苦汝玉にす。
やはり苦労は買ってでもするべきものなのかもしれません。
このことは病気の治癒に際しても同じことが言えるのかもしれません。辛さや苦しさを耐え抜くことでやがて治癒が訪れる。治癒とは苦痛を経ないと手にできないものでもあるです。
■症状の自然治癒
発熱や炎症、腫れなどの苦痛。
私たちはこれを悪いものとしか考えていません。
症状に良いことなんて1つもなく、押しなべてみんな悪いもの。だから薬剤を使って一刻も早くその症状を抑え込もうとするわけです。
でも、それはモノゴトの一面的な見方に過ぎず、症状をむしろ積極的に捉える見方だってあるのです。
症状とは治癒を引き寄せるために欠かせないプロセスでむしろ積極的に促してあげることが大切。そう考える声だってあるのですから。
症状が起こるには起こるなりの理由がある。体を正常に機能させるために欠かせないプロセス。痛みやかゆみはそれ自体が治癒反応といえるのです。
■血管を広げる物質
例えば、手を何かにぶつけた場合を考えてみましょう。
衝撃を受けた後に、ジンワリと痛みが押し寄せてきます。こうなると、
”ヤバイ、冷やさなくちゃ!”
そう思って湿布薬や鎮痛剤などで処置を行うわけなのです。
でも、この処置にこそ問題がある。痛みが来ること自体が私たちの体が治癒を始める修復作業の開始の合図。湿布薬などを使って冷やすことは症状を抑えてしまい、逆効果となってしまいやすいのです。
私たちの体は問題箇所を探知すると、血液を送り込むことで元の状態に戻そうとするわけです。そこで必要となるのは血液の量。たくさんの血液を患部に流し込もうとする。
でもそうするためには道路を広げなくてはなりません。血管が広がらず狭いままだと素早く大量の血液輸送に問題生じてしまいます。作業は遅れ、円滑に進まなくなってしまうからです。
そこで血管を広げる役割を担うのが、プロスタグランジンやアセチルコリン、ヒスタミンと呼ばれる物質。これらを総称して、
「血管拡張物質」
呼ばれるものです。
これらの物質が働くことで道幅が広がり、新鮮な血液をたくさん患部にスムーズに輸送できるようになる。治癒に欠かせない大変ありがたい物質といえるのです。
ぶつけた場所が腫れたり、赤くなったりするのは血液がそこに大量に送り込まれている証しで、血管拡張物質がしっかり働いてくれている証拠といえるのです。
■その弊害はココ!
プロスタグランジンなどの血管拡張物質は治癒に欠かせないありがたい存在なのですが、ちょっと困り者といった面もあります。
それは少々乱暴で荒っぽいこと。血管を広げる作業に付随して、熱や腫れ、痛み、炎症などを引き起こしてしまうからです。静かに淡々と作業をしてくれるなら良いのですが、そうはいかない。
痛かったり、腫れたり、熱を持ったりするといったマイナス面があるのです。
血管拡張物質から言わせれば、
”痛いとかツライとかガタガタ言うな!いま元の状態に治してるんだから大人しくしてやがれ!”
こんな風に言いたいところなのでしょう。
つまり、痛みや腫れは治癒に欠かせないプロセスでもある。痛みや腫れを経過することで患部は修復されていく。まさに”ノーペイン・ノーゲイン”というわけです。
■冷やすのは最悪の処置!?
痛みや腫れ、炎症などを起こすことで元の状態に戻しいていくことは分かった。でもそこで湿布薬や鎮痛剤などを用いてしまえばどうなるか?
これらのクスリには血管拡張物質の働きを抑える作用があるのです。
具体的にはトロンボキサンや抗アセチルコリン受容体、抗ヒスタミンなどが含まれているので、血管を拡張し血液の大量輸送を行う働きを阻害してしまうのです。
クスリを使えば血管は収縮し、患部の治療に必要な血液の供給がストップしてしまう。冷すことは治癒の遅れをもたらしてしまうのです。
確かに痛みや炎症、腫れなどは緩和されるのでしょう。でもそれは同時に治そうとする両手を縛ってしまうことにも繋がってしまう。長期にわたって薬剤の使用を続ければその後の様々な問題を引き起こす温床にもなってしまうのです。
私たちには破損個所を修復するだけの力が備わっている。一時的ならまだしも長期にわたりクスリを使うことは極力控える必要があります。
私たちの自然な体の仕組みを理解し、なるべく自分の力で問題解決ができるようにすることが必要になるのです。
■止血の役目は血小板
出血を伴うケガの場合、血管の破損を探知するや否や、即座に血小板が患部に向かって馳せ参じます。
自らの体を傷口にぶつけることで出血を止めキズを塞いでくれるのです。
折り重なるように無数の血小板がやってきて累々と積み重なることで止血は完了する。その状態が「カサブタ」というわけです。
もちろんケガの程度によっては医療による処置も必要になるのでしょうが、こうした体の仕組みを知っておけば少々のことでは動じなくなっていくのです。
■体は不完全か?完全か?
現代医療において私たちの体は、弱くて脆くて破損しやすいものと考えられています。
そこから問題が起きても自分で治すだけの力を持たない不完全なものとして体を捉えているのです。
危機に対して無力であるからこそ、予防接種や健康診断、薬や手術などが必要になる。このような論理で肉体と症状を捉えているのです。
これは「肉隊故障説」といわれる見方です。
あたかも壊れやすい機械のように体を捉える説ですが、これに対して自然医療は肉体を完全で狂いのないものとして捉えます。
病気による症状は回復に必要なプロセスとして位置づけられ、症状は即療法である。このように体と症状との関係を考えるあり方です。
私たちの体は本来完全で狂いのないものなのか?それとも不完全で脆いものなのか?完全であるとするならその力を最大化するために必要なことは何であるのか?
これからもこのブログで模索し続けていきたいと思います。
■このページのまとめ
・体は血流を患部に促すことで修復する ・血液輸送にあたって一役買うのが血管拡張物質である ・患部を冷やせば血管が収縮し治癒が遅れ困難になる ・発熱、痛み、腫れ、炎症は治癒に向けた欠かせないプロセス ・出血時にも血小板が我先に患部に駆け付け塞いでくれる ・肉体は故障するものなのか?それとも完全なのか?モノの見方は1つではない |
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