自然食業界キャリア15年のOBが綴る

湿度と付き合う日本家屋の伝統にシックハウスの解決策が!

2018/12/11
 
この記事を書いている人 - WRITER -
生協、有機野菜の宅配団体などに15年在籍し、自然食業界の裏表を目の当たりに。本当に安全に食べられる食材とは何か?日々追求しています。

気候風土に則した知恵が伝統文化には込められている。私たちはいつしか自らの歩みを古いもの・遅れたものと考えるようになっています。ココでは日本の家屋に秘められた深い知恵を知ることでナチュラルライフに必要なポイントを確認したいと思います。

■目次
1、湿気の中で生きる日本の知恵は!?
2、食と住居の洋風化の現状とは何!?
3、障子や土壁の意味とは?古いだけではない!
4、気候条件を無視できない現代住宅事情は!?
5、シックハウスは必然の結果!先人に学べ!

湿気の中で生きる。

 

これが私たち日本人の宿命といえるでしょう。

 

高温多湿で湿気ムンムン、平均湿度は70%の私たちの国水が豊富で過剰なくらい。河川の氾濫は当たり前で、水を収める統治者には「名君」の称号が与えられる。

 

武田信玄の「信玄堤」などはその最たるものというわけです。

 

豊富な水資源は、料理方法にも影響します。

 

乾燥地帯ではたくさんの油を使うといった特徴があります。イタリア料理もフランス料理も、油を使ったものが多いのですが、その理由は水が少なかったから。

 

水不足だからこそ油を駆使せざるを得なかった。日本料理に油を使ったものがあまりないのは豊富な水資源が背景にあるのです。

日本料理

 

■食と住居の洋風化

日本料理にも「天ぷら」がありますが、そもそもポルトガル人が伝えたもの。

 

「テンポラス」が変化して天ぷらとなって定着したもの。

 

ポルトガル人が魚や野菜の揚げものを食べる習慣を真似たもので、油には「萱の油」などが使われていたのです。戦国期に伝来し、江戸時代に馴染みとなっ異国の料理法だったのです。

 

水が多く、そこからの湿度の高さが日本の特色。高い湿度は不快なもので、その条件下でいかに快適に暮らしていくか?その工夫にこそ、日本文化の真髄があるともいえるのです。

 

湿度と向き合う暮らしの知恵が伝統文化の中に数多く残っているわけです。

 

食の洋風化が言われて久しいわけですが、私たちの住居もかなり洋風化しています。純和風の家は珍しく、ほとんどが西洋の技術を輸入した住宅になっているのです。

 

でも、欧米は乾燥地帯なので、正直、その住宅様式は湿度の高い日本ではムリがある。湿気が籠りやすく、カビなどの繁殖を散々に許してしまう。

 

最近の住宅は高気密・高断熱が主流になっているようですが、それは寒くて乾燥した北欧の住宅仕様といえるのです。

 

■障子や土壁の知恵とは!?

日本の住宅の随所で使われるアイテムに「障子(しょうじ)」があります。

 

日本住宅そのものが少なくなってきているので、障子も少ないわけですが、やはり和室には欠かせないものですよね。

 

穴を開けて怒られた、そんな経験を持つ方も少なくないはずです。

 

でも、なぜあんなに破れやすい素材をあえて使っているかと言えば理由がある。それは高い湿度への対策として選ばれた素材なのです。

 

必要な水分をキープして不要な水分を外に出す。こうした機能は、

 

「吸放出性」

 

といわれます。

 

障子紙にはこの機能があり、排湿と防乾を同時に自動で叶えてくれる。いわば自然の全自動エアーコンディショナーといえるもので、しかも光の透過性も高いので部屋を明るく保つことができる。

 

紙を漉いているので、目が備わっていて開いたり閉じたりする。それにより余分な湿気を吸って、必要な湿気をキープしてくれる。吸って出してと、いわばオートマチックに空気を調節してくれるスグレものが障子というわけです。

 

日本の伝統的な住宅には、この吸放出性を高める工夫がさまざまに施されているのです。

 

またこれも死語になりつつありますが、土壁も同じです。不要な湿気を吸い取り、乾燥したら湿気を供給する。吸ったり、吐いたりを繰り返して適正な湿度が保たれている。

 

そして保温効果も高いので寒い冬の冷気を遮断し、室内の温かさを保ってくれる優れた機能が備わっているのです。

障子

 

■気候条件を無視できない!

また日本の家屋の特徴として、家の真ん中に炉が備えられています。そこで、煮炊きをしていたのです。

 

家の中心部分で火を焚くことで、さらに室内の湿気を取り除くことができる。煙たい煙部分は住居の中を漂うのではなく、上へ上がってワラぶき屋根のすき間から室外に排出される

 

ワラぶき屋根は古臭くて貧しいイメージもありますが、実はこうした合理的な判断から選ばれた秀逸な素材というわけです。

 

さらにネズミやイノシシ、クマなどは煙を嫌う性質があるので獣害対策にもなっていたと考えられているのです。

 

日本の家屋には高温多湿の気候条件を、快適に過すための知恵と工夫が込められているのです。

 

現在住宅の主流は「高気密・高断熱」です。それは暖かさをばかりを追求した密封された“閉鎖空間”ともいえるのです。

 

確かに暖かく快適なのかもしれません。でもその反面、風通しが悪く、湿気がこもりやすく常に換気が必要になる。北欧の住宅技術を気候条件の違う日本にそのまま持ってくるのはムリがあるのも事実と言えるでしょう。

日本家屋

 

■シックハウスは必然の結果!

さらには工期を短く、材料費を低く抑えるために現代の住宅にはたくさんの人工の化学物質が使われています。

 

接着剤などの人工の化学物質が室内空間に揮発して漂ってしまう。それを呼吸で吸い込んでしまうシックハウスの問題がクローズアップされているのです。

 

とにかく換気に配慮しないと現代の難病中の難病と言われる化学物質過敏症の不安がつきまとってしまうのです。

 

また高気密・高断熱で密封空間にすることで、カビやダニなどの発生の問題もあります。私たちの祖先は、通気性をしっかり保ことで、被害を最小化してきたわけです。

 

密閉空間になればなるほど、ダニやカビが喜ぶ環境が作られてしまう。その結果、殺菌剤・殺虫剤をじゅうたんやカーペット、カーテンや寝具、家具にまで塗られるようになっているのです。

 

「昔はすべて良かった」、そう回顧的になるつもりはありません。でも、私たちのいまを考える貴重なヒントが、先人たちの暮らしには確かにあることも事実。

 

私たちはどこで生き、何を選ぶべきか?その知恵の宝庫が住宅や暮らしの中に散りばめられているそうした知恵をこのブログで今後も紹介していければと思います。

 

今回は湿気と建築から風土に根ざした住まいについて考えてみました。

 

■このページのまとめ

・日本の知恵は湿気対策

・油を使った料理が少ないのは水資源の豊かさ

・湿度の高い日本では土壁や障子など吸放出性を保つ工夫が

・囲炉裏を作ることで湿度を除き獣害対策をしていた歩み

・藁葺き屋根から囲炉裏の煙を室外に排出する知恵がある

・高気密高断熱の住宅は日本の気候に適していない

・接着剤や殺菌剤などの人工の化学物質が密閉空間に充満する

・日本には日本の条件に適した暮らしのあり方が存在している

 

■次へ :『発熱と薬害・安易にクスリに頼らないために

■前へ :『日本人がサラダを食べなかった理由はコレ!有機野菜の問題点は!?

■TOPへ:無投薬・無医療の生き方マガジン

有機野菜の宅配委選び・後悔しない9つのポイント

この記事を書いている人 - WRITER -
生協、有機野菜の宅配団体などに15年在籍し、自然食業界の裏表を目の当たりに。本当に安全に食べられる食材とは何か?日々追求しています。

- Comments -

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

Copyright© 無投薬・無医療の生き方マガジン!  , 2018 All Rights Reserved.