有機野菜の宅配で気になる低農薬・減農薬野菜の驚きの正体は!?

多くの人が有機野菜の宅配を始めるきっかけになるのが「農薬」の問題です。この章では農薬にまつわる誰も教えてくれなかった事がらを知ることで、安全な野菜選びのポイントを確認していきましょう。
■目次
1、野菜生産の知られざる現状は!?
2、農薬が人体にリスクなのはこの性質!
3、女性が断然多い!治療困難な症状は!?
4、有機野菜の宅配の主力は二番手のコレ!
5、安全野菜の正体は五十歩百歩である理由
6、高額だけど正体不明・判断材料は一切なし!
7、有機野菜の宅配を選びは詳細表示が絶対基本!
キュウリは60回。
ナスは50回、トマトも50回、キャベツは20回。
何の回数だと思われますか?
これは栽培期間中に使われる農薬の散布回数の目安です。すでにご存じの方には恐縮ですが、知らない方には驚きの数字ではないでしょうか。
キレイに包装され、スーパーの棚に並べられるまでにはこのくらいの農薬を使わなくてはならない。たくさんの農薬を撒かなければ野菜を育てることができない。
それが今の農業の現実です。有機野菜の宅配を検討するあなたは、
- 農薬を使っていない野菜
- 食品添加物の入っていない食材
これらを選びたいと思われていることでしょう。それは実に大切なこと。
食べたものが血となり、肉となるのだから、不安の多い農薬や添加物をできるだけ体から遠ざける。それは食材汚染から身を守るための重要なポイントになるからです。
■農薬が体内に入ると・・・
農薬や食品添加物は「人工の化学物質」とも呼ばれます。
人工の化学物質が問題になるのはその残留性の高さ。一度体内に入ると長く留まってしまう。水に溶けにくく、脂に溶けやすい性質があるからです。
体内に入り込むと、脂に馴染みやすいので皮下脂肪・内臓脂肪に溜め込まれていく。人工の化学物質は溜め込まれる一方で、排出が困難なことから、
「入口あって出口なし」
そんな風にも言われるのです。
体内に蓄積された人工の化学物質はさまざまな病気の原因になることが指摘されています。現在日本人の2人に1人はガンになる時代で、新生児の2人に1人は何らかのアレルギーを持って生まれてくると言われます。
これらの病気の増大と人工との化学物質の関係は指摘されてから久しいわけなのです。
■女性が発症しやすいのは!?
さらに、わずかな人工の化学物質を探知しただけで、頭痛やめまい、嘔吐、発疹、気力減退など広範囲の症状を引き起こしてしまう病気が「化学物質過敏症」です。
化学物質過敏症の患者数は一般に70万~100万人と言われますが、正確な数字は分かっていません。国も医療機関も患者自身も、人工の化学物質への認識が甘いことが理由です。
医療機関にかかっても、
更年期障害、自律神経失調症、アレルギー、うつ病・・・。
こうした曖昧な病名をつけられやすい。本当は人工の化学物質に反応して症状が出ているのに、そのカタマリである化学合成薬を処方されてしまう。医者の言う通りに服用を続けた結果、症状がどんどん深刻化していく。
こうして重症化に至ると、水ですらも口にできなくなってしまう。食べもののや飲みものの農薬や添加物、水に含まれる塩素などに反応し、症状を起こしてしまうからです。
化学物質過敏症は現代医療で最も治療が難しい病気の1つと言われます。アメリカの患者数は人口の10%前後とも言われることから、日本でも、
3割くらいはいるのではないか?
そう指摘する研究者もいるのです。
化学物質過敏症に特徴的なのは、患者の7割以上が女性であること。
女性は男性に比べて体内脂肪の割合が高い。そのため脂肪に溶けて蓄積する、人工の化学物質を溜め込んでしまいやすいことが理由です。
もちろん体に備わった解毒機関、肝臓や腎臓などは排出に向けて働き続けてくれますが、限度だってある。体の限度量を超えた瞬間に誰でも発病にすると考えられているのです。
限度量をコップに例えれば、水かさがいっぱいになってあふれ出た状態。それが発病の瞬間といわれているのです。
人体にとって、人工の化学物質は「異物」です。異物とは体に入ってはならないもの、蓄積してはならないものを指す言葉です。
食の安全を大切に考える私たちは、人工の化学物質をできるだけ暮らしの中から排除すること。食べものなら農薬や食品添加物のない、もしくは少ない食材を選ぶこと。
このことが大切になるのです。
■安全な野菜の主役となるのは!?
そこで出番となるのが「有機野菜」です。
有機野菜は安全な食材の代名詞、汚染時代の”救世主”のように扱われていますが、残念なことにその量は極めて限られているのが現状です。
野菜全体の量に対してたった0.2%しかないからです。
実際に有機野菜の宅配を始めてみれば分かるのですが、売られている野菜のほとんどが
「低農薬・減農薬」のものばかり。
有機野菜はいまだ極めて少ないのが現状です。食卓に上る野菜のすべてを有機野菜にする、それは現状では困難なことでもあります。そうなると安全な食卓づくりの主役は、
「低農薬・減農薬の野菜」
になります。食の安全のエース・有機野菜は限られているのだから、仕方がない。二番手の”低や減”の野菜に頼らざるを得ない。
でも、低や減の野菜といえども、有機宅配や自然食品店、スーパーのこだわり野菜コーナーなどで売られているのだから、
「きっと農薬の使用回数は少ないんだろう。2回とか3回とか・・・、」
そんな風に思うわけです。無農薬で栽培しようとギリギリまで頑張ったけど、どうしても2.3回は使わざるを得なかった。
すいません・・・。でも、
”次こそは無農薬で作れるようにガンバリます!”
低農薬・減農薬という言葉の響きからはこうした印象を受けるわけです。
■減・低野菜の実態は!?
でも、実際の農薬使用回数を調べてみると、
「半分」
通常使われる農薬の回数、その半分以下なら、”低農薬・減農薬”と名乗って良い。とても数回程度のものではないのです。
トマトやナスには栽培期間中に約50回ほどの農薬が使われます。だから低農薬・減農薬を名乗るには半分の25回。キュウリやイチゴ、リンゴなどには60回ほど使われますが、その半分で30回。
”低や減”と呼ばれる野菜は半分、まさしく五十歩百歩。それが”安全な野菜”と言われるものの現状になるのです。
■手がかりは一切なし!
そうか、減農薬・低農薬という言葉に惑わされてはイケないな。しっかり表示を見て、
”なるべく使用回数の少ない野菜を選ぶようにしよう”
そう思ってみたところで、どうすることもできません。農薬の使用回数を表示する義務が一切ないからです。
いま手にしている減農薬・低農薬の野菜にどのくらいの農薬が使われたのか?私たちには知るための手段を一切与えられていないのです。
5回しか使っていない低農薬野菜もあれば、30回使った野菜もある。みんな平等に”低農薬野菜”として売られている。
ごちゃ混ぜにされ、正体不明のままに高い値段がつけられている。実態がよく分からないものに高いお金を払わざるを得ない。まさに”玉石混淆”、それが低農薬・減農薬野菜の現状なのです。
低農薬・減農薬を名乗るものは普通の野菜よりも値段が高いわけだから、使われた農薬の回数くらいはハッキリと表示するべきです。それは最低限のことではないかと思います。
安全な野菜を食べたくて高額であってもこれらの野菜を選ぶのだから、農薬についての細かな情報をしっかり公開すること。
それをきちんと行っている有機野菜の宅配業者を選ぶことが大切になるのです。
※有機野菜の大手宅配業者のカタログでも「減」としか書かれていない
■有機野菜の宅配選びは!?
有機野菜の宅配選びをするなら、
- 農薬情報を買う側にハッキリ表示している宅配業者を選ぶこと。
- そして農薬情報に注意をして、できるだけ散布回数の少ない野菜を選ぶこと。
このことが大切になります。
そのように表示をしっかりしている有機野菜の宅配業者はどこなのか?
そのことを具体的に述べる前に、次章ではもう少しだけ「農薬の問題」について考えてみたいと思います。
>>次のページ:第二章は
『有機野菜の宅配業者が宣伝する残留農薬検査のカラクリは!?』
■この章のまとめ
・人工の化学物質は排出が難しい ・有機野菜は生産量が極めて少ない ・低農薬減農薬は通常の半分であること ・低や減の野菜の農薬回数を表示する義務はない ・有機野菜の宅配でも農薬情報を公開する業者は少ない |
■参考文献
・各県の慣行レベルの農薬使用回数