自然食業界キャリア15年のOBが綴る

有機野菜と無農薬野菜の違いは自然食業界人も知らない!?

2019/01/02
 
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生協、有機野菜の宅配団体などに15年在籍し、自然食業界の裏表を目の当たりに。本当に安全に食べられる食材とは何か?日々追求しています。

有機野菜と無農薬野菜との違いは何?紛らわしくて不明瞭な言葉の意味を、自然食業界OBならではの視点で解説しています。安全な野菜はどちらなのか?それとも他にあるのか?この点を考えてみます。

■目次
1、有機野菜と無農薬野菜の違いとは!?
2、無農薬野菜とは何か?実は2パターン!
3、有機野菜の知られざる実態とは何か!?
4、有機野菜の農薬使用・抜け道もしっかり!?
5、化学合成農薬と天然農薬のリスクの違いは!?
6、無農薬野菜のみを食べるならこの野菜を選ぶべし!

 

有機野菜と無農薬野菜の違い。

 

同じように思えるけど、どうも意味が違うらしい。

 

安全な野菜を食べたくて検索している内に、よく分からなくなってしまった。紛らわしいので、

 

”何とかして~”

 

そんな風に思われているのではないでしょうか?

 

でも、

 

有機野菜と無農薬野菜の違いをハッキリ言える人はほとんどいない。自然食業界に15年在籍した私の経験から言えることは、

 

業界関係者でもその違いが分からない人がほとんど。内容をきちんと把握している人は実に少数派なのが現状です。紛らわしい!そうあなたが思うのはムリもないことなのです。

 

そこで今回は、有機野菜と無農薬野菜の違いをカンタンに述べてみたいと思います。

 

■無農薬野菜は2種類ある!

無農薬野菜とは、読んで字のごとく、無農薬で栽培された野菜のことを言います。より正確に述べれば、

 

栽培期間中に農薬を使わなかった野菜のこと。

 

”栽培期間中!?”、そう思われるかもしれませんが、これには理由があります。

 

現在、ほとんどの栽培農家は野菜のタネや苗を種苗業者から購入しています。農家が自分で野菜のタネを採り、苗を育てるようなことはほぼなくなっているのです。

 

販売されるタネや苗にはその段階でかなりの農薬、殺虫剤や殺菌剤が使われています。タネや苗には農薬が使われているのだから、厳密には無農薬野菜とは言えない。

 

栽培期間中は農薬を使わなかったけど、タネや苗は業者から買ったものなので農薬が使われているよ。その意味を込めて、

 

”栽培期間中・無農薬野菜”

 

こうした表現になるのです。タネや苗にも農薬を一切使っていないもので育てた野菜なら、完全無農薬栽培といえるでしょう。以上のことから、無農薬野菜には、

 

・完全無農薬野菜
・栽培期間中無農薬野菜

 

この2種類があるのです。

 

無農薬野菜についてはコレで終わり。細かく言えばいろいろあるのですが、あまり突き詰め過ぎてしまうとモノゴトの本質が見えにくくなってしまいます。以上のことを押さえておけば充分です。

有機野菜

 

■有機野菜の知られざる実態は!?

では一方の有機野菜が何であるかというと、

 

農薬を使った確率が極めて高い野菜。

 

このように言えるでしょう。

 

有機野菜には使って良いとされる農薬が30種類以上もリストアップされているからです。

 

有機野菜は無農薬野菜のことではない.

 

こういうことになるのです。

 

有機野菜とは、有機JAS法が定めるやり方を守って栽培された野菜のこと。本当に守っているかどうか?確認するため、国が認めた認定団体のお墨付きを経て、初めて「有機野菜」と名乗ることができるのです。

 

この法律では指定された許可農薬なら、たとえ何回使おうとも、問題なく有機野菜と名乗ることができる。

 

使用回数制限が記されていないので、100回でも、200回でも、許可された農薬ならどんなに使っても構わない。残留農薬を測定する義務もない。このような問題があるのです。

 

もちろん有機野菜を栽培する生産農家の中には、法律で使用を許された農薬であっても、一切使っていない人もいるのでしょう。

 

また食べる人のリスクを考えて、どうしてもやむを得ないと判断した場合にのみ許可農薬を使う、極めて抑制的な農薬使用の人もいるのでしょう。

 

さらには、せっかく許されているんだから認定農薬をドンドン使うよ。このような人もいることでしょう。

 

「有機野菜」という言葉の裏には、大きく言ってこの3つのタイプの生産農家が混在しているのです。

農薬散布

 

でも、現行の有機JAS法においては、使用した農薬名とその使用回数を公開する義務が一切書かれていないため、実態がよく分からない。

 

自分が食べている有機野菜が、

 

無農薬なのか?農薬を少しだけ使っているのか?はたまた農薬まみれなのか?

 

ほとんどの人が正体不明の有機野菜に高い代金を支払っているのが現状です。細かな農薬情報が明らかにされていない、いわばブラックボックスのような仕組みになっているのです。

 

■こんな抜け道が!?

有機野菜は一般の野菜に比べて1.5倍~3倍以上の値段がするにも関わらず・・・。

 

でも、有機JAS法で許可されている農薬は、自然由来の天然農薬がほとんど。だから、

 

”一般の化学合成農薬よりも安全性は高いんじゃないの?”

 

そのように思う人もいるのでしょう。

 

確かに、有機JAS法においては化学的に合成された農薬は使用してはならないものとされています。でも例外事項、抜け道もしっかり用意されている

 

止むを得ないと判断された場合には、農林水産大臣が定めた化学合成農薬を使用しても良いことになっているのです。農林水産省告示第1005号として、

 

「次の一及び二に掲げる農薬、肥料及び土壌改良資材であって、その有効成分が化学的に合成されたものをいう」と断りを入れて以下の通り。

 

硫黄くん煙剤、硫黄粉剤、硫黄・銅水和剤、還元澱粉糖化物液剤、食酢、水和硫黄剤、生石 、性フェロモン剤、石灰硫黄合剤、炭酸水素カリウム水溶剤、炭酸水素ナトリウム水溶剤及び 重曹、炭酸水素ナトリウム・銅水和剤、展着剤、天敵等生物農薬・銅水和剤、銅水和剤、銅粉剤、二酸化炭素くん蒸剤、メタアルデヒド粒剤、硫酸銅、燐酸第二鉄粒剤並びにワックス水和剤

このように化学合成農薬の使用が認められているのです。

抜け道

 

これらは”やむを得ない場合”と一見、条件付きになっていますが、どんな場合が止むを得ないものなのか?は分からない。

 

農薬とは、虫や病原菌に作物が侵され、どうにもならない時にこそ使われるもの。それで言えば、使うと判断する際はどんな時も”やむを得ない”ことになってしまうのです。

 

化学物質過敏症やアレルギーの患者から、有機野菜も食べれないと相談を受けた知り合いの医師がいるのですが、農薬使用の状況を有機認証団体に問い合わせたところ、

 

「生産者に対する守秘義務があるので、詳しい内容は答えられない」

 

と言われたそうです。

 

使われた農薬の種類や回数の情報公開義務がないので、それを買う側の私たちには一切見分けがつかない。どの有機野菜が止むを得ず化学合成農薬を使ったものなのか?

 

中身が一切分からないようになっているのです。

 

条件が付いているとはいえ、これでは何の意味もない!、そういっても過言ではないと思います。

 

■化学合成と天然農薬の違い!?

また天然由来の農薬とはいえ、それが安全性の保障にはなり得ません。

 

天然のものであっても農薬は農薬だからです。当然、健康リスクがあるものなので、天然だから安全とは言えないのが実際のところ。

 

これは化学合成薬は危険だけど、漢方薬は副作用がない・もしくは弱い、こうした話と似ています。

 

漢方薬に副作用はないなんていうのはイメージに過ぎません。化学合成薬と同じで、漢方薬にも副作用は当然あり、死亡例だっていくつも報告されているのです。

 

合成農薬であろうと、天然農薬であろうと、どちらも立派な農薬なので危険性があるものなのです。

漢方薬

 

■無農薬の野菜のみを食べるなら!

有機野菜と無農薬野菜の違いを分かって頂けたでしょうか。その違いを知りたかったあなたは日々口にする野菜は、

 

”無農薬のものにこだわりたい!”

 

と思われていることでしょう。そして、いざネットなどで無農薬の野菜だけを宅配してくれるところを探してみてもなかなか見つからないのが実際のところではないでしょうか。

 

「無農薬野菜の宅配!」、そんな風に謳っていても、販売されている野菜は全部が全部無農薬で栽培されたものではない。減農薬や低農薬、こうした野菜も混ざっている

 

野菜セットで注文しようにも、無農薬と減農薬のものがゴチャ混ぜになっているのが普通だからです。

 

食卓に上る野菜はすべて無農薬にしたい!

 

もしあなたがそう思われるのなら、自然栽培の野菜を選んでみてはいかがでしょうか?自然栽培とは肥料も農薬も一切使わずに育てた野菜なので、農薬を使った野菜を食べたくないあなたにピッタリの野菜だからです。

 

自然栽培の農家から言わせれば、有機であれ、化学であれ、肥料を使うからこそ農薬が必要になる

 

本来は自分でエサを探して摂るべきなのに、人が過保護を繰り返して”上げ膳・据え膳”で肥料という凝縮した栄養のカタマリを作物に与える。

 

だからこそ虫や病原菌を呼び込んでしまい、化学合成された農薬や天然の農薬を使って殺さざるを得なくなる。

 

作物を甘やかすことなく、無肥料で育てれば虫や菌の被害に遭わなくなっていく。有機も化学も肥料を使うからこそ、農薬のお世話にならざるを得ない。

 

田畑の作物には人が肥料を使うからこそ農薬を使う。一方、自然界の植物には人が肥料を与えないので、農薬がいらない。

 

田畑はいつも有農薬、自然の野山はいつでも無農薬。

 

肥料も農薬も一切使わない自然栽培は野山の植物の仕組みを田畑で実践する農法なのです。

 

野菜は、”野の菜”と書きますが、読んで字のごとく本来、自然の野の力が育むものなのです。肥料という凝縮した栄養のカタマリを与える行為は田畑でしか行われないもの。

 

そうであるなら、それらは「畑菜」と呼ばれるべきものなのでしょう。ある自然栽培の農家さんが、

 

「無農薬とか減農薬とか面倒クサイことを言うな!オレが作っているものこそが野菜なのだ。農薬を使っているものは皆一括りに、”農薬野菜”と呼べばよいのだ!」

 

そんな風に言っていたのを思い出します。

 

自然栽培の野菜が栽培期間中無農薬、完全無農薬であるのは当たり前のことでもあるのです。農薬の不安がなく、安心して野菜をたくさん食べたいなら自然栽培の野菜はオススメです。

 

自然の力を凝縮した野菜本来味わいをぜひ試して頂ければと思います。以下に自然栽培の農産物が変える宅配・通販、店舗リストを紹介しておくので、参考にしてみて!

肥料も農薬も一切使わない自然栽培が買える宅配・通販・店舗リスト

 

■このページのまとめ

・無農薬野菜には完全無農薬と栽培期間中無農薬とがある

・種苗会社のタネや苗にはその段階で農薬が使われている

・有機野菜と無農薬野菜はイコールではなく、農薬使用が許可

・有機野菜は農薬情報を公開する義務がないので選べなく正体不明

・化学合成農薬の使用もやむを得ないなら条件付きで認められている

・無農薬で栽培された野菜を食べたいなら自然栽培のものを選ぶべし

・野菜は野の力が作るもの。農薬を使わないのが野菜であり、使用したものは農薬野菜

 

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