発熱礼賛論・症状は即療法であるワケをギリシャの医人に学ぶ!

現代医療への幻想と過信。次第に明らかになりつつあります。食の安全を大切に考える私たちは自然な医療のあり方をどのように捉えれば良いのでしょうか?ココでは体と心に自然な医療のあり方について考えます。
■目次
1、症状は百害あって一利なしなの!?
2、たった1人の医師が世界を変えた!
3、医師の仕事は果たして何!?治すのは誰なのか!?
4、発熱の知られざる効能は!?体内調整の最良のツール!
5、格言からヒモ解くナチュラルライフスタイルの神髄は!?
6、心の不安が体に与える影響は?活性酸素の実態に迫る!
7、治癒は外にはない!自らの「内」なる自然に目を向けよ!
痛みは悪いもの。
発熱も下痢も炎症も、すべて百害あって一利なし。
これが現代医療の考え方です。
病気の症状に良いことなんで何もない。それどころか放置すれば大変なことになってしまう。だから一刻も早くこうした症状を抑え込まなくてはならない。
下痢止めや解熱剤、消炎鎮痛剤などを使って。
症状は全部悪!これが現代医療を貫く考え方といえるのです。
これに対して、自然医療は人体を精巧で巧妙、正確無比なものとして考える。体は生きるのに必要なすべてを熟知しているので、体のことは体に任せ余計な手出しは一切しない。
このように考える療法といえるでしょう。
症状が起こるには起こるなりの理由がある。その理由を把握しつつ、体の処置に全てを委ね気長に待つ。こうしたあり方といえるのです。
多くの人は現代医療を支持していますが、それは冷静で客観的なものではなく妄信に近い。何かあったら、スグに思考を停止させ、
”お医者さま~”、”おクスリ~”
微塵も疑うことなく医療行為に身をゆだねてしまうものだからです。
もちろんそれで何とかなれば良いのでしょうが、現代医療の成績はすこぶる悪い。日本人の半分はガンになるし、アレルギーも国民の半分。糖尿病は予備軍を含めて1300万人。高血圧症は予備軍を含めて4300万人。
日々たくさんの病人を作り続け、症状をより難しく難治化させてしまっている。
こうした面だってあるからです。
■呪術から医学へ!
事故や大けがなどの際には現代医療は確かに有効です。
でも、慢性病・生活習慣病などに対しては全く以って無力。単に対症療法を続けるだけ。
こうしたことが明らかになる中、自然医療に対する関心が静かなるブームとなって水面下で起こっているのです。
現代医療と自然医療、どちらを支持するかどうかはさておき、妄信をやめ曇りなき目できちんと評価すること。その上で判断することが大切なのではなかろうか。
そんな風に思うのです。
自然医療において病気の症状は、治るために必要なプロセス。そのように考える療法と言えるでしょう。
その歴史はかなり古く、起源は今から2400年ほど前、エーゲ海のコス島で生まれた医師・ヒポクラテスにまで遡るのです。
ヒポクラテス以前の医術は呪術。
病者とは神の怒りに触れた者で、病気の苦しい症状は等しく天罰。だから加持祈祷を行い、
「この者の罪を許し給え!」
そう天に祈りを捧げるだけのものだったのです。ヒポクラテスはこのことに強い疑問を覚え、関心を持った。
”果たして本当に天罰なのだろうか”と。
そこで患者が病に伏し、そこから治癒に至るまでのプロセスを詳細に眺めることで事の真相を明らかにしようとした。
そこで分かったのは、症状は天罰でも何でもないこと。
症状は病気が治っていくために必要なプロセスで、症状を経ることで初めて治癒が訪れるもの。症状を経ないと病気は治らない。
このことを突き止めたのです。
■病者への愛!
下痢、嘔吐、出血、発汗、排尿、化膿、これらの症状は体液を不純なものから正常なものへと導くサイン。
症状はつらく苦しいものではあるけれど、それを経ないと治癒には至らない。症状とは即療法のことであり、それを妨げたり中断させるようなことをしてはならない。
医師が行うべきことは症状を解説することでも、薬湯を与えることでも、苦しみを軽減させることでもない。ただひたすら患者に、「励ましと慰め」を与えること。
今は辛くともこれを越えれば良くなるから。患者が苦しみのあまり悲嘆に暮れてしまわないように、寄り添ってあげること。病を看る、看病にこそ医者の使命があるのだ。
このように主張したのです。
これが有名な「病者への愛」と言われるものなのです。
■万病予防は発熱!?
病気の症状は医者やクスリが治すものではない。治せるのはあくまで患者自身。
患者の治癒力が最大化するように全力で励ますこと。
それこそが医師の仕事であると述べたのです。
中でも発熱は最高の名医で、熱が上がることで体内の老廃物が燃焼する。発汗、嘔吐、下痢などを通して異物や老廃物を体外に出すための絶好の機会。
それが万病を予防する最高の療法になる。
「病者に発熱する機会を与えよ。さらばどんな病気でも治して見せる」
そのように豪語したと伝えられているのです。
■ヒポクラテスの格言
また、ヒポクラテスはさまざまな格言を残しています。その一端を紹介しておくと、
「人は自然から遠ざかるほどに病気に近づく」
「汝の食事をクスリとし、汝のクスリは食事とせよ」
「健全ある体を心掛ける者は完全ある排泄を心掛けよ」
「食べものについて知らないひとがどうして人の病気を理解できようか」
「病気は人間が自らの力を持って自然に治すものであり、医者はこれを手助けする者である」
私たちは病気の症状は全て悪いもの、そう断罪しそこで思考を止めてしまう。そして、医者やクスリによって治してもらうとするのです。
発熱なら解熱剤、下痢なら下痢止め、頭痛には頭痛薬。このように症状をクスリの力で強制的に止めることばかりに終始するわけです。
それではせっかくの体内掃除が中断してしまい、のちにより深刻な病気を招く温床になってしまう。熱が出たらチャンス到来、熱が体の老廃物を縦横無尽に燃焼させられるように一切の邪魔をしないこと。
解熱剤などはもってのほかで、氷枕などで頭を冷やしてはならない。こうしたことになるのです。
ガン細胞も通常細胞に比べて熱に弱いことが言われます。反対に低体温では増殖が活性化することも知られています。今や日本人の半数はガンになる時代、発熱による効能にも、もっと光を当てるべきではないか?と感じます。
■心と体の関係は!?
またヒポクラテスは、
「心に起きることはすべて体に影響し、体に起きることも心に影響する」
このようにも述べています。
悲嘆にくれたり、怒りやストレスに心が覆われてしまうと体内の活性酸素が増えてしまうことはよく知られています。
活性酸素は酸素を吸って生きる者の宿命で、”諸悪の根源・万病の元”といわれる物質です。活性酸素は悪役として語られることが多いのですが、良い面だってあります。
体内に侵入した物質を攻撃してくれるありがたい物質。問題はその過剰であって、増え過ぎてしまうことにこそ問題があるのです。
病気の症状に嘆き悲しんでいては活性酸素が体内で過剰になりやすくなります。心はできるだけ大らかに快活に努める。
そのことだって決して軽視できないものなのです。
ちなみに活性酸素は農薬や添加物などの異物を体に入れるほど増えるものなので、食べものや生活環境にも注意したいところです。
■人体は精妙なシステム!
「病は気から」、そんな風に言われますが体のことは体に任せる。
私たちの体は治癒に向けて熱を出したり下痢を起こしたりと、懸命に頑張っている。だからこそ心も体の足を引っ張らないようにできるだけ穏やかに過ごしたい。体が頑張っているのだから心も負けないように努めること。
現代医療の行き過ぎと限界を率直に認め、私たちは自らに備わった神秘的と言って良いほどの素晴らしいシステムにも目を向ける必要がある。
一億総病人時代と言われる中、こうしたことも大切ではないでしょうか。
衣食住の生活環境をできるだけ自然に整えることで体の機能を最大化させる。こうした努力も求められるところなのでしょう。
医療への妄信も過剰な期待もやめ自分自身の内なる仕組みに目を向けること。このことが大切になりますね。
■このページのまとめ
・現代医療は症状を悪と断定する ・自然医療は症状を治るためのプロセスと見る ・ヒポクラテスの登場で呪術から医術へ変換した ・症状即療法で体液バランスを戻すための工程 ・発熱は体内の老廃物・不純物を燃焼させる最良の手段 ・ガン細胞は熱に弱く低体温で活性化する・発熱の有効性 ・心と体は連動する・活性酸素の過剰に注意が必要となる ・生活習慣を改め自己治癒力が最大化するように日々心掛ける |
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