クスリの即効性と効果の高さが生命の弱体化を招く!

効かない・治せない、そんな医者やクスリは”ヤブ”なんて言われてしまいます。でも、自然な生命の仕組みをみれば効かないことよりも、よく効くことの方にこそ問題が多いのです。ここでは医療・農業の分野から即効性の問題を考えてみたいと思います。
■目次
1、即効性で効果の高いクスリがリスクなワケは!?
2、使わなければ退化する!?効き過ぎることの弊害は!?
3、かつてのクスリと今のクスリとの違いはこの点に!
4、化学肥料は便利だけど効き過ぎることに問題あり!
5、粗くて即効性がなくても長期・継続使用が弊害を招く!
的中占いも、ゴルフのニアピンも。
精度が高い、それは素晴らしいことでもあるわけです。
競馬の予想的中も、野球の狙い打ちもピンポイントで見事に攻略してしまう。これらは称賛されるべきことなのでしょう。
でも、
医療や農業の分野においてズバリ的中・ズバリ効く!それはあまり良いことではなさそうです。
ツライ・キツイ症状を素速く終息させてくれるので、即効性が高く・効果の高いクスリはありがたいものです。でも、行きはヨイヨイ・帰りはコワイ。
良い面だけとはいかないものでもあるわけです。
そこで今回は、ズバリ的中が思わぬ事態を引き起こしてしまう!?このことをテーマにナチュラルライフに必要なポイントを考えていきましょう。
■脳や筋肉と一緒!?
薬剤や手術などに一切頼らずに病気を治す、これは「自然治癒力」と呼ばれます。
また、他の言い方では“免疫力”とも言われたりもするわけです。
病気の症状は完治までにそれ相応の時間がかかるもの。熱が出たなら治るまでに概ね3日くらいは必要です。負傷しキズを負ったならカサブタが作られ完全に消えるまでには、かなりの時間がかかります。
自分の体に備わった治癒力に全てを委ねて安静に過ごす。理想はそうありたいものだけどやっぱりキツイ。“時は金なり”、そうチンタラ待ってばかりもいられない。
医療機関やクスリを使って迅速に治してしまおう。“少しでも速く!”“一秒でも速く!”、そう思って即効性の高いクスリを使うわけです。
速くピンポイントで病気を治す、でもここに大きな落とし穴があるのです。
■昔のクスリと今のクスリ
今のクスリは本当によく効く。効果が高く短時間、患部にピンポイントで効いていく。
そのことにより、体の治癒力はどんどん低下してしまうのです。
クスリなどによる、外部からの力があまりに強烈過ぎてしまうと、自分自身で治すことができなくなってしまうのです。もしくは、自分の力を発揮できる場面がどんどん狭められてしまう。
使わない脳や筋肉が退化するのと同じで、使わない自然治癒力も低下の一途を辿ってしまう。こうした面があるのです。
新潟大学名誉教授の安保徹氏(故人)は、
「かつて、まだ薬の力がそれほど強くなかった時代は、対症療法の影響も小さくて済んでいました。薬自体の作用が強くはありませんでしたから、症状をせいぜい二、三割減らす程度のもので、患者のつらさを減らしながら、治癒反応も適度に温存されていました。だから、対症療法を続けていても、医療自体は破綻を来さない時代が長い間続いていました。」
昔のクスリは今のものほど、即効性がなく、効果も粗かった。そのため患者自らが自分で治すだけの大部分の領域が残されていたと言うのです。
だから少々クスリを使ったところで、大きな害はない。結局のところ、患者自身が自分で治さざるを得なかったと言うのです。
でも今のクスリはあまりに効き過ぎてしまうため、患者自らの治癒力を発動させるだけの隙間がない。患者自身の治癒力は低下していき、クスリに頼らないとどうにもならない。
そんな薬剤依存への道を突き進んでしまう。強すぎる効果は生命の弱体化を招いてしまうと指摘しているのです。
「強い対症療法を続けると体を修復する反応が止まってしまう危険性が大いにあるのです」
とその著書『免疫革命』(講談社インターナショナル刊)で指摘しているのです。
効果的で即効性のあるクスリの長期にわたる継続使用を控えるように。どうしても使うなら少量を短期間だけ使うようにと警告を発しているのです。
特にアレルギーなどの治療の使われる「ステロイド剤」と痛みの緩和に使われる「消炎鎮痛剤」の長期の使用を控えるようにと警告しているのです。
■効き過ぎは軟弱を招く!
これは農業においても同じです。
化学肥料は植物にとっての三大栄養素「窒素・リン酸・カリ」を混じりっ気なしに凝縮した栄養のカタマリ。これさえ与えておけば作物は速く・大きくグングン成長していきます。
でもその反面、自分で土の中から栄養分を探し出す必要がないので、根っこが浅い。根が浅く短く、地上部分が肥大化するので、人で言えば上半身ばかりが大きくて足腰が貧弱。
そのような姿になってしまうのです。
肥料で無理やり大きくさせられているだけだから、ちょっとの風でも持ちこたえられない。倒伏しやすくなるのです。さらに虫や病原菌がやって来れば撃退できるだけの力がない。
自分で自分を守ることができなくないので、農薬を何度も使わざるを得なくなる。生命体として軟弱に傾いてしまうのです。
■有機肥料の問題は!?
それなら有機肥料の方が良いのかというと、そう単純ではない。有機肥料も植物の三大栄養を詰め込んだ栄養のカタマリなのですが、化学肥料に比べて成分が粗い。
化学肥料に比べて作物自身が根を伸ばし、自分で必要な養分を探し出す必要が生じる。作物が自分でどうにかしなくてはならない面があるので、有機肥料の方が化学肥料よりも優れているようにも思えます。
でも、それはあくまで最初の数年に限ったこと。有機肥料であっても大量に長期間、継続して使い続ければやがて化学肥料以上の栄養過多を招き弱体化してしまうのです。
速く効くことは素晴らしいことのようにも思えますが、マイナス面だってある。病気の治癒にしろ、作物の栽培にしろ、即効性を求めれば安全性が犠牲になってしまう。
ローマは一日にしてならず、健康も一日にしてならず。何が自然で、何が不自然か、効果が絶大なものについては、それなりの注意が必要になりますね。
今回は的中・ピンポイントからクスリの即効性について考えてみました。
■このページのまとめ
・即効性が高いクスリの使用は自然治癒力を弱めてしまう ・昔のクスリは精度が粗く、患者自身が治癒力を発揮する余地があった ・ステロイド剤や消炎鎮痛剤を使うなら短期間・少量が大原則になる ・化学肥料を使えば速く大きく育つけど、根が浅く病虫害に無防備となる ・有機肥料は成分が粗く初期の問題は少ないが時間の経過で弊害が出やすい ・即効性を求めれば安全性が犠牲になるので、より体に自然な選択が必要 |
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