安全な食用油の選び方・安い油はこんなにハイリスク!

■目次
1、本来油は高級品!?
2、安い油の作り方は!?
3、劇物指定の溶剤が使用されてる!?
4、薬品豊富で安価で提供中の真相は!?
5、揚げ物は胃にもたれるのは本当なのか!?
「油断大敵」
油が断たれてしまえば、大変なことになる。
このことを意味した言葉です。
私たちにとって、食用油は身近な存在なのですが、かつての日本人にとって油はとてつもない
“高級品”
食用として食べることなど、滅多になかったわけなのです。
でも油は、「糖質・タンパク質・脂質」の人の三大栄養素の一角を占める大切な栄養分。高級品の油を、私たちの祖先はどのように油を摂取してきたのでしょうか?
今回は、「油」について考えることで、無投薬・無医療の生き方実現のヒントについて考えてみたいと思います。
■食用油は高級品!
昔の日本人は、今と違って、
“〇〇油”
という形で摂ることはほとんどありませんでした。
それならどうやって摂っていたのかというと、
「日常食べる食材から」
お米には玄米で食べれば、米油はたっぷり含まれているし、味噌や豆腐、納豆に使われる大豆にも、大豆油は含まれている。
油の形で摂るのではなく、玄米、丸大豆といったように、食材に含まれた形で摂ってきた。
こういうことになるわけです。
油の抽出は手間ひまがかかり、大変面倒で、幾重もの工程を経なくてはなりません。そのため、油は灯として使われることが多く、食用することはあまりなかった。
現代の私たちにとって食用油はありふれたものですが、昔ながらの製法、圧搾法で作られた食用油は値段もビックリするほど高くなってしまうものなのです。
■劇物指定の溶剤が!?
私たちがスーパーなどで見かける食用油は、実に安い。
色んな種類の油が売られていますが、
なぜココまで安いのか?
その理由は2つあって、ひとつ目は言わずと知れたことですが、原料に使われるナタネやオリーブやゴマなどの素材の質が悪いこと。
農薬はもちろん、古い素材、そして遺伝子組み換えの心配があるような劣悪な素材に理由があります。
もうひとつは、あまり知られていない製造工程にヒミツがあるのです。
安い油の作り方を調べてみると、消防法で劇薬指定になっている
「ヘキサン」
といわれる有機溶剤に行き着きます。
ヘキサンはベンジンから作られますが、ベンジンといえば、洋服を汚した際に使われる溶剤として有名です。
ベンジンは油汚れなどを落とせるのと同時に、洋服の繊維をキズつけないことから使われるのですが、ヘキサンはこのベンジンを主な材料に作られるのです。
■化学薬品を駆使して!
植物油を昔ながらの製法で抽出するのは、本当に骨折れな作業になります。
でも、ヘキサンを使えば、実にカンタン。
ヘキサン溶液を用意して、そこにゴマやナタネやオリーブなどを漬け込んでおけば、素材に含まれる油分を、余すところなく抽出できる。カンタンでムダが出ない、こうしたことからヘキサン油は瞬く間に広がっていったのです。
ヘキサンは低温で揮発する性質があるので、有害物質は残留しにくく安全!そう油メーカーは強調しますが、
「0.1~0.2%」
程度の残留はするようです。
また、製造プロセスにおいて、澱といわれるガム質のようなものが発生する。そこで、「リン酸」を使って、澱を除去する。
また油の中に“遊離脂肪酸”といわれる物質も発生する。それに対しては、強酸性の「苛性ソーダ(水酸化ナトリウム)」を使って中和する。
それでもヘキサン抽出油は酸化しやすくなるので、中和のために「シリコン」が使われる。女性の豊胸でシリコンは知られていますが、これがヘキサン抽出油によく溶ける。
その結果、油の表面に膜を形成して、酸素を遮断し、油本体を長持ちさせることができる。
このようにたくさんの化学薬品が使われた結果として、スーパーの安い油は売られている。
こうした工程を経ていることを知っておく必要があるのです。
■胃もたれの原因に!?
でも、ヘキサン抽出油にシリコンを加えると、熱い間は良いのですが、冷えるとシリコンが固まるので、
衣がベタベタする。
コンビニやスーパー、お弁当屋などの揚げ物は冷めるとマズイ理由は、シリコンなどの使われる薬剤に原因があるのです。
このように安い油は安いだけの理由があるものです。まともな製法で作られた油が高額になるのは当然で、油は今も昔も変わらず、高価なものなのです。
揚げ物を食べると、胃に悪い、ムカムカするのも、当然というわけで、揚げ物を食べるなら昔ながらの圧搾法で抽出したものを選ぶこと。
でも、ほとんどの飲食店やスーパーの総菜、コンビニ弁当などは、ほぼ100%の確率でキサン抽出油を使っているので、食べるなら覚悟の上で口にした方が良いでしょう。
高くても、まともな油を選びたい!そう思われるあなたのために、昔ながらの圧搾法で作られた油を以下に紹介しておくので、興味があればぜひ一度試してみて!
・「昔ながら頑固搾り国産菜種油【菜の花物語】」
・「昔ながらの玉締め圧搾法のゴマ油」
・「オーガニック オルチョサンニータ(オリーブオイル) 」
■参考文献
・『自然食の裏側』 三好基晴 著 かんき出版 刊
・『野菜が壊れる (集英社新書 469B)』 新留 勝行 著
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