クスリの副作用が体を守る!治癒力をマヒさせる薬剤処方の現状は!?

作用があれば反作用がある。自然界の法則です。自然のバランスが崩されそうになれば、それを元に戻そうとする力が働く。「恒常性」の原則です。この視点からクスリの効用とその反作用である副作用を見つめると、より自然な生活のヒントが導き出されるのです。
■目次
1、2種類の副作用とは!?
2、統計から見る驚きの結果とは!?
3、クスリの副作用の効用はここにあり!
4、毒の侵入を拒絶・体の強い意志とは!?
5、免疫力をマヒさせる副作用のない薬とは!?
6、良い悪いで判断しない・自然な生活の極意とは!?
「副作用」の心配・・・。
クスリにはどんなものにも付きまといます。私たちは「副作用」と一括りに言いますが、大きく言って2つある。
ひとつは急性の副作用、もうひとつは慢性の症状を引き起こす副作用。
急性の副作用として有名なのはインフルエンザの治療薬の「タミフル」。タミフルを飲んだ子供たちが窓から外に飛び降りてしまったり、不可解な行動をとってしまうことで話題となりました。
抗ガン剤の副作用もその一例でしょう。
慢性の症状としては、重いものだと発ガン性の心配があったり、アレルギーの原因もなったりすること。軽いものだと目眩や痺れなどがそれに当たるのでしょう。こうした心配があるので、
“副作用は侮れないよね“
“どうしてもの時だけにしないと・・・”
“あんまり神経質にならなくても・・・”
こんな声も聞こえてきそうです。
副作用をどう考えるかは人それぞれなのでしょうが、薬を飲むメリットもあれば反対のデメリットもある。リスクがあるものなので服用は慎重に行うこと、このことが大切になるのでしょう。
■第4位の死亡数!?
今から約20年前の資料に『アメリカ医学会誌』というものがあります。
そこで述べられているショッキングな内容に、「薬の副作用」による推定死亡者数が載せられているのです。
その総数は実に10万6,000人、死亡理由としては心臓病、ガン、脳血管障害に続き、第四位と順位付けがなされているのです。
私たちはクスリからの恩恵ばかりに目がいってしまうのですが、そのマイナス面もかなりあることも知っておく必要があります。安易に飲んでしまうことが、取り返しのつかない事態を招いてしまう。
これはあくまで推定死亡者総数であって、重い障害や後遺症などは数に入っていません。それらを合わせるとかなりのリスクがあると言えるのではないでしょうか。
■副作用の効用
市販薬でも処方薬でも、必ず服用規定が書かれている。
飲む際の注意事項として喚起を促しているわけです。
「飲んだら運転するな」とか、「必ず食後に飲め」とか、「体質に合わないと感じたら医師に相談せよ」とか、こうしたことが書かれているわけです。
じっくり読む人は少数派なのでしょうが、そこには大切な意味が込められている。それは「一度にたくさん飲んではいけないよ」、「リスクがあるから慎重に飲んでね」、そんな意味があるのです。
クスリを飲んで何のマイナス反応も起きないようならそれこそ大変です。量が多くなってしまったり、長期に服用しても不安がない。こうした事態を招いてしまうからです。
副作用があることは、私たちの体を守るために必要なこと。副作用があるからこそ無謀な付き合い方をしなくなる。クスリの副作用は守護神のようなもの、そうとも言えるのではないでしょうか。
■毒を遮断する仕組み
これは私たちに備わった自然な味覚のメカニズムも同じです。
「良薬口に苦し」、そんな風に言われたりもしますが、私たちの体にとって苦味は毒。味覚はこのようにジャッジするわけです。甘味や塩味を探知するリセプターは数種類程度と言われますが、苦みに対しては30種類以上備わっていると言われます。
あらゆる微量な毒を探知し、水際で食い止めるために厳重な防御網が敷かれているのです。
苦くてマズイ、そう味覚が判断してくれるので大量には食べられない。その結果、毒を過剰に体内に入らないようにする。味覚が探知しそれを体に知らせることで、リスクを低減できる。こういうことになるわけです。
■副作用がない恐怖!?
“副作用は恐ろしいものだけど、良い面もあるんだな”
そう思われるかもしれません。でも、
最近では「副作用がない」ことをアピールしたクスリも出回り始めています。耳障りは良いのですが、これは厄介。
副作用が起きないことは、体の抵抗力を弱めてしまうこと。そんなケースも少なくないからです。
体にとって薬剤は「異物」です。異物が入れば、体は当然それに反応します。その反応として起こる現象が副作用で、いわば異物への抵抗の証ともいえるのです。
もっと突っ込んでいえば異物を無害化する工程で起こる症状が副作用、そのように考えることもできるのです。
ウイルスや細菌などが入ると、体はわざわざ発熱することでそれらの働きを押さえようとします。ガン細胞も1日に1万個は体内で生まれているともいわれますが、リンパ球が働くことで無害化されているわけです。
これらは私たちの体に自然に備わった「免疫力」、自然治癒力ともいわれますが、もし免疫力が損なわれてしまえばノーガードになる。それはガンなどの発生を止める力が働かないことを意味する。そんな無防備な状態になってしまうのです。
■アレルギーの特効薬は!?
現在、国民の2人に1人は何らかのアレルギーを持つと言われる中、体の免疫力を無力化させる方向に治療薬はシフトしています。
免疫抑制剤と言われますが、そもそもは人体移植などに使われていたクスリです。他人の臓器を移植すれば体はそれを異物と判断します。判断ずると拒絶反応を起こしてしまう。
それでは臓器移植は不可能になってしまうのです。そのため免疫抑制剤を使って拒絶反応を力づくで抑え込む。それは免疫力を麻痺させることでもあるのです。
アレルギーも体の中に侵入した異物を処理し体外に出すために症状を起こしている。皮膚の炎症や鼻炎、喘息などはこのようにして起こるわけです。辛い症状は体を守るための大切な反応なのですが、免疫抑制剤を使うことで反応そのものを抑え込む。それは免疫力の無力化意味するのです。
副作用がないクスリを使い続ければ生命の弱体化はますます進んでしまいます。耳障りの良い言葉に惑わされるのではなく、リスクについてもしっかり踏まえておく必要を感じます。
より自然で体にムリのない毎日の実現を目指すなら、その際の判断基準は“良い・悪い”、“効く・効かない”ではなく、
「自然か・不自然か?」
このことをいつも心に問いかける。その上で判断する習慣を身につけたいものですね。
今回はクスリの副作用について考えてみました。
■このページのまとめ
・クスリには効果効能がある反面、副作用のリスクがある ・副作用があることで量や服用期間への意識が働く ・苦味は毒の象徴で味覚のリセプターはそれを逃さない ・異物に反応する免疫力を抑えるクスリが使われている ・免疫力を失えば体は異物の侵入に無防備となる ・良い悪いで判断するのではなく、自然か?不自然か?でジャッジすること |
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