自然食業界キャリア15年のOBが綴る

比較でわかる日本の農業・国家百年の計に見るお寒い実状は!?

2019/12/29
 
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生協、有機野菜の宅配団体などに15年在籍し、自然食業界の裏表を目の当たりに。本当に安全に食べられる食材とは何か?日々追求しています。

■目次
1、農業は本当に甘やかされているのか!?
2、輸出に活路が生き残りの選択肢なの!?
3、各国比較でわかる・無農国への実態!
4、バカの一つ覚えの戦後の日本経済の歩み
5、大切なのはカジノなの?食料の自給なの!?

 

過保護は良くない。

 

決して甘やかしてはならない、子育ての際によく言われる言葉です。

 

殺人などの大きな事件、犯人の幼少期を辿ると、

 

“甘やかされて育ったから”
“両親の過保護ぶりは目に余った”

 

このような声もよく耳にするのです。過保護や甘やかしは本当に良くないことなのか?それとも根拠なくそう言われているだけなのか?

 

今回は過保護や甘やかしの問題を考えることで、私たちの健康で快適な暮らしに必要なポイントを考えてみましょう。

 

■農産物の輸出こそが生き残り!?

 

“海外に打って出よ!”

 

日本農業をして、よくいわれる事がらです。農業は、

 

「補助金漬けで甘やかされている」

 

経済人、財界筋からは決まってこの言葉が漏れるわけなのです。

 

国内に農産物を売るだけでは生き残ることができない。人口減少が続き、地方の農村はますます衰退。農業人口の高齢化、農村の過疎化は長らく指摘され続ける問題。

 

これらを一挙に解決するカギは、

 

「農産物の輸出!」

 

盛んにこのことが言われているのです。

 

政府は海外輸出の本気度を示す意味もあって、今年6月に農水省と厚生労働省にまたがっていた海外交渉や輸出手続き審査を農水省に一本化

 

日本農業の生き残りは海外輸出!このような強い態度をあらわにしていると感じるのです。でも、

 

日本の農業は本当に甘やかされているのか?よくよく各国と比べてみると、意外なことが分かってくる。

 

他国の方がずっと厳重に自国の農業を保護しているからです。日本なんて冷淡そのもの、そこに価値を置いているようにはとても思えないのが実態なのです。

 

■各国比較で分かる食と農の特殊性

農業を徹底して保護しているのはヨーロッパ諸国

どの国も自国の農業を厳重に保護しています。ヨーロッパにおいて農民はいわば公務員のようなもの。国が生産者に直接所得補償を行う政策を採る国がほとんどだからです。

 

二度の世界大戦でヨーロッパは戦場となりました。食糧生産は細っていき、国民は食糧難に苦しみました。

 

食糧不足がいかに恐ろしいものか?

 

このことを骨身に刻んだのです。

 

農業所得に占める国からの補助金を比べてみると、日本は約4割

スイスは100%を超え、フランスは9割超、比較的割合の低い英国は6割でドイツは約7割。アメリカは35%と一見低そうに見えますが、小麦や大豆などの「価格保証制度」がある。

 

ある程度は市場原理に農産物を委ねるものの、価格が安くなればその分を米国政府が農家に支払う。こうした保証を行っているのです。

総じて言えるのは、各国こぞって自国の農業を守っていること。それはつまり、

 

農業は工業やサービス業とは違うもの。その価値はお金では決して測れないもの。

 

国民の大切な食料を生産し、さらに国土を守り、環境保全に貢献するもの。

 

このような思想から手厚い保護を与えているわけです。カナダもオーストラリアも自国の大切な産業として、その担い手を厚く保護しているわけなのです。
(※三橋TV第129回『主要国で最も自国の農業を守らない国』)

 

■国破れて山河ありで良いの!?

日本の農業は過保護で甘やかされている。それは根拠の乏しい絵空事でしかないのです。

 

にも関わらず経済界の要人は終始一貫、“過保護だ!”、“甘やかすな!”と自国の農業を糾弾し続けているのです。

 

農業を輸出産業として育てるなら、栽培面積を広くする集約化する必要があるでしょう。中小零細農家がそれぞれ小面積で少量ずつ栽培しているようではとても輸出需要を満たすことができない。

 

大企業を農業に参入させ、まとまった面積で栽培しなくてはならないでしょう。そうなればますます肥料・農薬に依存する必要がある。当然、土は汚れ、河川も汚れ、食べものも汚染される。

 

それは私たちの健康にダイレクトには跳ね返ってしまうのです。

 

また企業は利益の最大化のみがテーマになるため、

 

“農業が儲からない!”

 

と判断すれば、即座に撤退とならざるを得ない。赤字を垂れ流しつつも農業を守る、そうはなりにくいわけです。

 

そうなればタダでさえ進んでいる耕作放棄地の拡大が一挙に進み、国土の荒廃は著しくなってしまう。「国破れて山河あり」、そんな状況を招きかねないわけなのです。

 

■バカの一つ覚えに終始!

そもそも戦後の日本は海外から原料を仕入れて、それを加工し世界に売る。

 

「貿易立国」

 

として歩んできました。勤勉で真面目な日本人が作り出す製品は安くて質が良い。当然世界から支持をされ、日本は膨大な貿易黒字を獲得するに至りました。

 

その累積額はダントツの世界一位。

 

過去の話ではなく今日現在も日本は最大の海外純資産を持つ世界一の金持ち国家。三兆ドル、300兆円を遥かに超える対外純資産を持つ国なのです。

 

でも、輸出で稼いだ黒字は私たち日本人にはほとんど還元されない。黒字は貿易相手国の通貨で稼ぐので日本では使えない。ただ相手国への再投資となるばかりで黒字をさらに積み上がるばかり。

 

日本政府は1兆ドルを超える大量のアメリカ国債を保有し、新たに購入し続けるばかりとなっているのです。

(※参考動画:大西つねき「日本病の正体」)

仮に農業を輸出産業に育ててみても、バカの一つ覚えのようにただひたすらこのサイクルを繰り返すばかりとなるだけ。結果はすでに分かっているのです。

 

■カジノ立国推進の現状

人口減少が進む中、日本の農業は大きな岐路に立たされています。

 

カジノのような賭博ビジネスに優遇措置を与える一方、農業をより一層衰退させ無農国へと向かわせているように感じます。

 

それは食と農を単なるビジネスと考えるのか?それとも、

生命の根源で決してお金では計れない大切な産業と位置づけるのか?

 

その選択であろうと思います。日本農業は本当に過保護なのか?考える必要がありますね。

 

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